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今日の朝イチは、ロボットアームの操縦訓練があり、HTVの暴露(ばくろ)パレットをHTVに戻す部分の操作を練習しました。

写真は、HTV5号機の暴露パレットをロボットアームで引き出す際のものですが、このあと暴露パレットは「きぼう」の船外プラットフォームに取り付けられ、搭載された実験機器を移設した後、役目を終えた古い実験機器を回収してHTVに戻されます。

暴露パレットというとちょっと仰々しいですが、要するにISSの船外で使う実験機器をHTVでISSに運ぶための仮置き台だと思ってください。
写真でロボットアームにつかまれている白色の部分になります。

このパレットをHTVに戻す操作は、いずれ地上からの遠隔操作で行われるようになるらしいですが、まだ具体的にどのタイミングでそれが始まるかはわかりませんので、私もケイトもその操作に関する訓練を受けました。

操作自体は非常にシンプルです。

ターゲットを参考にして位置を合わせたあとは、まっすぐ押し込むだけです。

カナダ製のロボットアームの優れているなと思う点は沢山あるのですが、今日の訓練で活躍した機能は、この押し込む際にアームにかかる外力に反応して、自動的に動作を微修正してくれるというものです。
例えば、ちょっと位置が左にずれた状態から押し込もうとした場合、アームには左から押されるような外力がかかります。
それを検知して、アームをコントロールするソフトウエア自体が左にずれていることを認識して、アームを右に修正しようとするのです。
位置の微修正をソフトウエアがやってくれるので、私たちはアームを前進させる操作をするだけで良いのです。

この機能のお陰で、全く問題なくパレットをHTVに収納することが出来ました。

訓練のあとは、NASAの家族支援担当者からバイコヌールでの打ち上げに関するレクチャーが私の家族に対してあり、その場には油井さんや星出さんも同席して下さいました。
実際に経験された方の意見やアドバイスは、とても参考になります。
油井さんは、日本での報告会などの業務を終えられて、ヒューストンに戻って来たばかりです。
2か月以上ぶりにお会いしましたが、お元気そうでした(^^) 
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昨日はほぼ終日、HTVに関する訓練を受けました。
私たちのバックアップクルーの、NASAのペギー・ウィットソン飛行士やESAのトーマス・ペスケ飛行士と一緒です。

HTVミッションの一連の流れ(打ち上げからISSとの結合、離脱、大気圏突入まで)と、その中でのクルーが関連するタスクについての説明を受け、次にHTVの各システムに関する説明がありました。

HTVはそのミッションの全てが地上から管制されるので、そのシステムについては本当に最小限の訓練しか私たちは受けません。
私たちが入室することになる与圧部にある環境制御システムについては少し掘り下げて習いますが、他の電力システムや熱制御システムについてはさらっと流す程度です。
私たちの訓練は効率化が進められており、必要な知識の選別が明確に行われているのを実感します。
このあたり、ロシアで行われるソユーズ宇宙船の訓練とは少し勝手が異なります。

昼食を挟んで午後はHTVに関連する緊急事態対処法の確認を行いました。
HTV内で火災が発生した場合の自動化処置、クルーが行うパワーダウン処置について、実際の手順書に沿って操作を練習した後、急減圧発生時の手順についても確認しました。

急減圧発生時にはHTVのハッチを閉める際にHTV特有の操作が必要なのですが、この時はその操作が必要な意味について、私たちクルーとインストラクター、管制チームメンバーを交えてかなり白熱した議論が展開されました。
こうした手順の背景をしっかりと知ることは、実際の現場でクルーが臨機応変な対処を求められた際に判断を下すうえで非常に有益なので、ISS第51次長期滞在でISSコマンダーを務める予定のペギーなどは「とっても良いディスカッションだった」と満足していましたし、私も非常に勉強になりました。

今日は私単独での「きぼう」に関する訓練が終日予定されており、午後にはメディアの方々への訓練公開や記者会見もあります。
私のミッションロゴについても、その場で発表させて頂きますのでどうぞお楽しみに!
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日本での打ち上げ前最後の訓練が始まっています!

午前中は小動物飼育装置に関する訓練、午後はフライトコントローラーチームとのミーティングや、きぼうのロボットアームに関する訓練などがありました。

きぼうのロボットアームは、現在はほとんど全ての操作を地上から行うことが出来る優秀なシステムが構築されていて、クルーの時間を割く必要はほとんどありませんが、ISSの姿勢が一時的に制御不能になった場合などに、安全のためクルーの操作が必要となることがあります。

ISSの姿勢制御には様々な制約があるため、何らかの原因でその制御が出来なくなった場合、それを回復するにはある程度の時間がかかるとされています。
その間、ISSの姿勢は宇宙空間を漂うことになるので、状況によってはいつもと上下が逆にひっくり返った状態で飛行するようなこともありえます。
ひっくり返っても無重力ですので、船内では特に影響はないのですが、ISSの下部に付いている地上との交信用のアンテナなどは一時的に交信が出来なくなったりする恐れがあります。

ISSとの交信が出来なければ、もちろん地上からのロボットアームの操作も行えませんので、そこでクルーの出番となるわけです。

訓練では、ロボットアームで実験装置の移設を行おうとしている状況でISSの姿勢制御が不可能になったという想定で、アームを安全な位置まで退避させる手順を練習しました。

きぼうのロボットアームの操作機会が減った分、私たちクルーの訓練機会も減っているので、知識をリフレッシュする良い訓練になりました。
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今日は移動準備日で訓練はありませんでした。
昨日の話が途中でしたので、その続きを。

午後にはロボットアームの訓練がありました。
先日、船外活動とロボットアームの総合訓練をヴァーチャルリアリティー施設を使用して行いましたが、今回もそのシミュレーターを使用しての訓練です。

このシミュレーターを使用して、ロボットアームに特化した訓練を行うのが今回が初めてでした。
通常のシミュレーターとの違いは、その再現度の高さです。

視覚的な表現力が、段違いに良いのです。
恐らくかなり強力なマシンを使用しているのだと思いますが、高精細なISSやHTVが、ロボットアームの操作に応じてヌルヌルと動きます。
飛行機の訓練でも、高性能なシミュレーターを使ったことがありますが、それに近いレベルです。

ロボットアームの操作技量を学ぶことが目的であれば、通常のシミュレーターで十分なのですが、今回の目的は様々なライティングコンディションによる操作感覚の違いを体験することでした。

わかりやすく言うと、太陽の位置やロボットアームのライトのON/OFF、ISS側のライトのON/OFFによって、視認性がどのように影響されるか、どの程度までなら安全にHTVをキャプチャー出来るか、というのを身をもって体験しようというものです。

・・・全然わかりやすくなかったですね。ごめんなさい。

写真を見て頂けるとイメージがお分かり頂けるかと思います。
一枚目の写真では、太陽がHTV表面の太陽電池パネルに反射しています。
二枚目の写真では、太陽が直にロボットアームのカメラに映りこんでしまい、グレア現象を起こしてしまっています。

一枚目の状態では、まだアームで掴むピンの部分が視認できているので、これ以上悪化しなければキャプチャーは可能ですが、二枚目のような状況では、キャプチャーは出来ないと思います。

他にも色々なパターンで練習してみましたが、非常にリアルなシミュレーターで、これまでにはないポイントを学ぶことが出来ました。


この日、最もハードな訓練は一日の最後に待っていました。
体力訓練です。

ISSで実施する運動プログラムを作成するためのデータ取りが始まっているのですが、今回はインターバルトレーニングというものを最初に行いました。

油井さんから聞いてはいましたが、これがきついのなんの・・・

30秒間全力疾走して、30秒間休憩、というのを計8回繰り返します。
「なんだ、たったの4分間走るだけか」と思うなかれ。
自分に出来る全力で走り続けるのは、かなりきついです。

私は運動は苦手で、さらに走ることは大の苦手なので、余計にきつかったのかもしれませんが。

今回使ったトレッドミルは少し特殊なもので、「パッシブ」(受動)と言われる、自分の脚力でベルトを回すタイプのものです。
普通のトレッドミルは、速度をセットするとその速度でベルトが回るようになっていますが、これはそのベルトを自力で回さなければならないのです。

私は今回初めてこのタイプのトレッドミルを使いました。
きついだけあって、効果はかなり高いそうなので皆さんもジムで運動されている方は是非トライしてみてください。
普通のジムに置いてあるのですかね?

日本はとても寒いようですね。
皆さん、どうぞ良い週末を♪
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先週金曜のロボットアームによるHTVのキャプチャー訓練からの写真です。
シミュレーターの全景写真はなかなか珍しいショットです。
訓練の模様が良くお分かりいただけるのではと思います。

訓練の模様はこちら。
https://plus.google.com/101922061219949719231/posts/bppYZEeHT36
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昨日は実験関連の訓練と、ロボットアームの操作訓練、ISSのカメラやビデオの取り扱いに関する訓練がありました。

ロボットアームの訓練は、HTV「こうのとり」のキャプチャー操作の部分を、ケイトとシェインと一緒に練習しました。
シェイン・キンブロー飛行士は、第49次ISS長期滞在で一緒にミッションを行うパートナーです。
第50次長期滞在では、NASAの2004年選抜組の中のトップをきってISSのコマンダーを務めることになっている方です。

少し補足しておくと、私がISSに滞在するミッションは、第48次/49次長期滞在ミッションと呼ばれ、全期間を通じて滞在を共にするのが、アナトーリとケイト。
前半部分の48次で一緒に滞在するNASA飛行士が先日ご紹介したジェフ、後半の49次で一緒するのがシェインというわけです。

ジェフやシェインとは、ISSで一緒に滞在すると言っても、一緒に訓練を行う機会はなかなかありません。
各自がアメリカやロシア、日本、ヨーロッパを訓練で常に移動しているので、顔を合わせること自体、意外なくらい少ないのが現状です。
この3週間は、それぞれのクルーがロシア人クルーも含めてヒューストンで一堂に会しているので、こうした総合訓練が沢山スケジュールされています。

今日のロボットアーム訓練は、HTVがISSに5mまで近付いたところからキャプチャーするまでの部分を一人一回ずつ、それからHTVがミッションを終え、ISSからリリースされる部分を全員で一度だけ行いました。

ロボットアームのオペレーションは、通常アームの操作者1名と、それ以外の操作の担当(システムのセットアップやコマンドの送信、アームの状態のモニターや地上との交信など)が1名の、2名編成で行われます。
3人目のクルーのスケジュールが空いている場合は、その人は他の2人を後ろからバックアップします。
そのあたりのチームワークは、それぞれのクルーの個性や好みによって変えることが出来るので、チームとしてのやり方を確立するのも今回の訓練の大きな目的の1つです。

訓練は、キャプチャー時に起こるロボットアームの不具合もシミュレートされますが、そういった不具合への対処も3人いると変わってきます。
通常、アームの操作はキューポラと呼ばれるISSの出窓からアームを目視で確認しながら行いますが、そのメイン系統に不具合が生じると、アメリカのLABモジュールに移動して、そこにあるバックアップ系統に切り替えて操作を継続します。

LABモジュールに移動すると、アームを目視で確認できなくなりますが、3人いる場合は、2人がLABに移動して、あと1人はキューポラに留まって引き続きアームとHTVの状態を監視することが出来るのです。

今日の計3回のキャプチャーは、不具合への対応も含めていずれもスムーズに遂行することが出来ました。

来週はプールでの船外活動訓練や、緊急事態対処訓練など目白押しです。
皆様、どうぞ良い週末を♪
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今日はJAXA関連で2つニュースがありましたね。

1つはH2Aロケット29号機の打ち上げ成功。
これは、従来のものより第2段ロケットを改良することにより、衛星の打ち上げ能力を向上させたバージョンの初の打ち上げになります。
例えば、ソユーズ宇宙船の場合、ロケットの仕事は打ち上げからわずか8分半程度で終わります。
そこからは、宇宙船が自分の力で軌道を制御していきます。

これまでのH2Aロケットも同様に、衛星を低い軌道に投入するまでの長くても30分間くらいが仕事でした。
衛星によく使用される静止軌道というのは、ISSよりももっとずっと遠いところにある軌道ですので、衛星がそこまで自力で高度を上げていくには、相応の燃料が必要になっていたわけです。

今回の打ち上げでは、衛星がロケットから切り離されるのは打ち上げから約4時間半後でした。
その間、ロケットの燃料を使用して高度を上げたり姿勢を制御するので、衛星の側からするとその分自分の燃料を節約でき、コストの削減や寿命の長期化が可能になるわけです。

日本のロケットビジネスの活性化に期待します。

さて、もう1つは油井さんの帰還日が12月11日に決まりましたね。
11日は私はちょうどバイコヌール宇宙基地にいますので、油井さんとはニアミスです。
ただし私はそのまま15日のソユーズ打ち上げまでバイコヌールに残り、油井さんはその日のうちにヒューストンに向けて出発するので、カザフスタンで顔を合わせるチャンスは残念ながらありませんが。
油井さんが帰ってきたら、お聞きしたいことが沢山あります。


さてさて、今日の午前中は、先週1週間で溜まりに溜まっていた事務的な仕事やメールを処理しました。
午後はアメリカのヒューストンにいるインストラクターと電話を繋いで、ロボットアームの操縦訓練がありました。

星の街のNASAオフィスの1室に、ヒューストンにあるものと全く同じロボットアームのシミュレーターが設置されていて、しかもヒューストンから遠隔操作出来るようになっているのです。

この訓練は、自分の技量を維持するための訓練で、ケイトと交替でシグナス宇宙船のキャプチャー操作の練習を行いました。
久しぶりなので腕が鈍っていましたが、無事にキャプチャーすることが出来ました。

明日明後日は、何も訓練が設定されておらず、クルーレスト(休息日)となっています。
来週月曜にバイコヌールに行ったら、そのまま隔離状態に置かれるので、それに向けた体調管理という大切な意味合いがあります。
ゆっくり時間があるので、先週の最終試験の模様などお伝えしたいと思います。
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今日ご紹介する写真は、先日のロボットアームを使った補給船のキャプチャー訓練です。
この訓練は、ジェフ、ケイト、私という第48次長期滞在クルーで臨みました。
期間中に補給船が来れば、実際にこの3名でチームを組んでキャプチャーに挑むことになります。

今回の訓練のターゲットは、オービタルサイエンシズ社のシグナス宇宙船です。
訓練はキューポラと呼ばれる、ISSの窓にあたるモジュールのモックアップを使用して行われました。
3人が出窓の部分に入ると、もう満員状態です。

キャプチャー自体は、最低2名のクルーで行い、1名がロボットアームを実際に操縦し、もう1名が手順書の読み上げやシステムのセットアップ、補給船へのコマンド送信などを担当します。
3名いる場合は、残りの1名は一歩下がって全体を見ながら、メインの2名をバックアップしてくれます。

私の額に白いのが付いていますが、これは別の宇宙実験の基礎データ取得のために体温を測っているセンサーですので、どうぞお気になさらず。

写真をあとで見て初めて知りましたが、超ベテラン飛行士のジェフが、訓練中終始新米2人の仕事ぶりに目を光らせているのがよく見て取れます。
訓練中に気付かずに良かった (;´∀`)アセアセ
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アメリカ訓練
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今日の午前中は、ケイトと組んでシグナス宇宙船をロボットアームでキャプチャーする訓練を行いました。

ロボットアームの操縦者と補佐者の役割を2人で交替しながら、それぞれ4回ずつランをこなし、いずれも無事にシグナスをキャプチャーすることが出来ました。

訓練はISSの窓、「キューポラ」と呼ばれるモジュールを模擬したシミュレーターで行います。
実際にISSでキャプチャーする際も、クルーはこのキューポラからロボットアームを操縦します。

訓練にはシグナスまでの距離5mから始まるものと、2mから始まるものの2種類があり、前者はどちらかというとクルー同士の掛け合いやシステムの不具合への対処訓練、後者は純粋にロボットアームの操縦技術を磨くことに重点が置かれています。

まずは5mランです。
シグナスはほぼ静止しています。
そのままロボットアームを近付けていって、3mまで近付いたところでシグナスの制御を全てオフにします。
この状態を「Free Drift(フリードリフト)」と呼びます。
これは、キャプチャーする瞬間まで宇宙船が自分の制御で動いていると都合が悪いからです。
極端な話、アームが掴もうとした瞬間に宇宙船が姿勢制御の為にスラスタを噴射したら、下手をするとアームと接触して壊れてしまうかもしれませんよね?
そういった事態を防ぐために、HTVでもシグナスでもドラゴン宇宙船でも、ロボットアームでキャプチャーする寸前に必ず宇宙船の制御をオフにする手順になっています。
制御をオフにされた宇宙船は、その瞬間の慣性を維持したまま、文字通り宇宙空間を漂い始めます(フリードリフト)。

今回はほぼ静止した状態で制御をオフにしたので、フリードリフト状態になってもシグナスはほぼ静止しています。
細かい修正だけで基本的にロボットアームを真っすぐ近付けていけば良いので、これは難なくキャプチャー・・・・となるはずが、キャプチャーボタンを押して、ロボットアームの先端がシグナスのピンを取り込んで固定しようとしたところで、ロボットアームのシステムに不具合が。

ピンを固定する動作が最後まで完了出来ません。
途中でアームの動きが止まってしまっています。

定められた不具合対応手順に従って、ロボットアームをバックアップ系統に切り替えて、無事に固定操作を完了しました。
宇宙船のキャプチャーのようなクリティカルな操作では、ロボットアームのシステムもメインとバックアップの2系統が両方いつでも動けるようになっていて、このような不具合が発生した場合もすぐに一方から他方に切り替えられるようになっているのです。

続いて、2mのランを3回。
前述の通り、これはアームの操縦技術を磨くための練習モードなので、シグナスもじっと静止していてくれません。
フリードリフト状態になった時の慣性をそのまま維持して、ゆっくりと移動・回転しながらアームからズレていきます。

シグナスの動きにアームの動きを同調させながら、距離を詰めていってキャプチャーしてやる必要があります。
これは、なかなか難しいです。
UFOキャッチャーで、狙っているぬいぐるみが動いているのを想像して頂ければ、近いかと思います。
キャプチャーする瞬間まで、その動きを追い続けてやる必要があります。

訓練ではこのような難しいモードで練習していますが、先日のHTV5号機のキャプチャーをご覧頂いた方はお分かりかと思いますが、実際の宇宙船はかなりの精度で静止してくれるようです。
厳しい訓練で培った自信があるからこそ、本番でも力をしっかりと発揮できるのでしょうね。

このキャプチャー訓練については、是非1度動画でもご紹介したいところです。
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今日の午前中はISSで使用されているコンピューター、各種アプリケーションに関する訓練、午後はシグナス宇宙船のランデヴー・キャプチャー訓練などがありました。

いまでは本当に色々な分野でコンピューターが使用されていますが、ISSも例外ではありません。
宇宙飛行士がISSで日常的に行っている仕事のほとんどはコンピューターを使用します。
コンピューター自体は、地上で市販されているものと同じようなものですが、アプリケーションの多くは専用に開発されたものが多いです。

最も使用頻度の高いものをいくつか挙げると、スケジュール管理ソフト、手順書閲覧ソフト、物品管理システム、世界地図アプリなどがあります。
中でもスケジュール管理ソフトはとても重要で、各クルーメンバーのその日のスケジュールを一覧で見ることができたり、その時間帯に地上でどのような作業が行われているか、日照・日陰の繰り返し、通信カバーエリア内かどうか、などが1つの画面で確認できるので非常に便利です。
また、1つ1つのタスクをクリックすると、注意事項や使用する手順書へのリンクが開いたりします。

シグナス宇宙船というのは、アメリカのオービタル・サイエンシズ社が開発・運用するISSへの補給船です。
現在、ISSへの補給船としては日本のHTV「こうのとり」、アメリカのスペースX社のドラゴン宇宙船、ロシアのプログレス補給船とこのシグナス宇宙船があります。
HTVとドラゴン、シグナスの3つの宇宙船のキャプチャー(ロボットアームで捕まえること)訓練はジョンソン宇宙センターで実施されますが、基本的なコンセプトはどれも似ているので、今日の訓練ではシグナス宇宙船の特徴的なシステム・運用方法についてレクチャーを受けたあと、実際にシミュレーターでその手順を実施しました。

合計3本のシナリオを実施し、1本目は相対距離250mのところからキャプチャーまでを実施し、私が地上との交信・システムの監視を務めるかたわら、ケイトが見事なロボットアーム操作でシグナスをキャプチャーしました。

2本目は選手交替、ということで私がロボットアーム操作担当になり、相対距離30mからスタート。
ところが、航法システムが計測している相対距離にエラーがあり、シグナスがISSにこれ以上接近してはいけないというラインを超えてしまったため、クルーからのコマンドによりアボート。
アボートというのは、安全のためランデブーを中止することで、近距離でのアボートの場合は宇宙船のスラスターを噴射してISSから遠ざかるようになっています。
写真はアボートして遠くへ去っていくシグナスを見送っているところです。

3本目も、「さっきロボットアーム操作する機会なかったから、そのままタクヤがロボットアーム担当ね」というケイトの一言で引き続き私がロボットアーム操作に。
今度は順調に相対距離10mのキャプチャー地点までシグナスが到着し、そこからロボットアームによる捕獲手順へ。
ところが、ロボットアームの手動操縦を開始してシグナスとの距離を縮め始めたところで、今度はISS側の航法システム機器故障のメッセージが。
定められた手順に従い、アームをシグナスから遠ざけ、シグナスに30m地点への撤退をコマンドしたところで訓練終了。

結果的にシグナスをキャプチャーするところまでいきませんでしたが、元々今回の訓練の目的は、クルー同士の連係や不具合発生時の対処を学ぶことにありますので、これはこれで良かったと思います。
キャプチャー操作自体は、シミュレーターで2mのところから何度でも好きなだけ自習することができますしね(^^)

#宇宙
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