話数単位で選ぶ、2015年TVアニメ10選  りとま@ritoma3

『SHIROBAKO』 第23話「続・ちゃぶ台返し」
 おそらく10年後も語り継がれるであろう宮森泣きシーン回。変な話、1話から積み重ねてきた5人を中心とする人間関係その他諸々がピタゴラスイッチのごとく作用し、ずかちゃんの「今、わたし、少しだけ夢に近づきました」からのみゃーもりが顔を隠してポロポロ涙をこぼすシーンで視聴者の涙腺ダムは完全に決壊する。

 これぞ水島マジック!水島努監督はAnotherの死のピタゴラスイッチに続き、また新たな涙腺崩壊ピタゴラスイッチを発明してしまった。そしてガルパンに続きオリジナル作品を2連続で当てるという空前絶後の偉業により今後5年はスケジュールに空きがないであろう。まさにご愁傷様水島監督である。

 話を戻してシリーズを俯瞰すると、この23話が作品の頂点、すなわちクライマックスである。残りの1話は単なる消化ゲームなので泣き腫らした目のまま映画のエンドロールを見るがごとく視聴すればいいだろう。この日、どんどんドーナツは2015年至高の作品としてアニメ史に刻まれ夜空に燦然と輝く星座になったのである。

『食戟のソーマ』[第14話「メタモルフォーゼ」
 「スフレオムレツをメニューに選んだ創真は、制限時間残り30分で課題クリアの200食には全く届かない絶体絶命のピンチに陥ってしまう。創真はライブクッキングを披露することでこの窮地を脱しようとする」

 奇しくもSAOでキリトを演じた松岡禎丞@創真が幼少の頃より磨き上げ培ってきたスキルを100%披露する食戟のソーマ前半の山場である。そして、この絶体絶命の主人公・創真が繰り出すライブクッキングをみれば、SAOの「スターバースト・ストリーム」を想起せざるを得ないだろう。
 右の指でストップウォッチを止める。間を空けずにオムレツの蒸し蓋を開ける。右、左、また右、脳の回路が灼き切れんばかりの速度でフライパンを振るい上げ続ける。フワフワな効果音が立て続けに鳴り、星屑のような輝きの出来立てスフレが皿の上に次々と踊り乗る。BGMと相まって一連の流れはSAOのエキストラスキル《二刀流》の上位剣技《スターバースト・ストリーム》連続16回攻撃の剣速を超える!!極限まで加速し、観客の歓声さえ掻き消え、タイムリミットまでを刻む時計の秒針の音だけが聞こえる。しかし永遠に続くと思われた加速世界にもタイムアップのブザーが鳴り響く・・・
はたして創真は課題をクリアできたのか?
その結末は?
この回だけは漫画では絶対に表現できないので、まだ結末を知らない幸運な人は、絶対に漫画原作を読むより先にアニメで観たほうがいいだろう。

『えとたま』第9話「花鳥歩月」
 まさかの将棋回である。序盤、フードファイトかよ!と思わずつっこんだ「将棋は、宇宙」で爆笑。中盤、「人間将棋」特訓で爆笑。終盤、ピヨたん鳥頭オチで爆笑。まさに序盤 中盤 終盤と隙がない展開でした。門倉啓太四段が棋譜監修を務めた将棋の駒たちと、にゃーたんが躍動する第9話を見て損はないと思うよ。

『のんのんびより りぴーと』第5話「お好み焼きを食べた」
 駄菓子屋は聖母マリアである。台所でれんちょんをあしらってるシーンの駄菓子屋は母親である。れんちょんの口に付いたソースを拭ってあげる駄菓子屋はまさしく母親である。そして駄菓子屋はヤンキーな処女ビッチである。つまり、駄菓子屋はれんちょんを処女受胎で産んだ聖母マリアなのである!駄菓子屋は母親になってくれるかも知れなかった女性なのである!!

……と、茶番感想はここまでにして…

 のんのんはどの回を選んでも良かったけど、この回が後の10話の自転車回に繋がる回だったので10選入り。1期から積み重ねた時間と空気をそのまま丁寧に描写した2期シリーズは安心して観れました。あと関係ないけど、お好み焼きって要はじっくり蒸してキャベツの甘みと素材の旨みを引き出して、あとはソース次第だと思うので大阪・広島論争は不毛だと思います。お好み焼きは蒸し料理!(異論は認める)

『ダンまち』第1話「冒険者(ベル・クラネル)」
 世界観設定やキャラが丁寧に描写され物語の導入としては理想的な1話であるが、素晴らしい背景と例の紐揺れ以外はごくごく普通に気合の入った1話である。しかしながら「小説家になろう」小説のアニメ化作品という視点からみると、まだ予感段階ではあるが、これからのコンテンツの流れ的に重要な意味を持ってくるのではないかと思い10選にチョイス。

いわゆる【なろうテンプレ】
・ステータス可視化
・「異世界(召喚・転生)で→モンスター倒して→魔石ドロップ→冒険者ギルドで換金→酒場で事件」

 こんな感じの「なろう」テンプレをアニメ【映像】として視聴者にキッチリ刻んだことは今後大きな意味を持つのではないかと思う。ロードス島戦記のディードリットがエルフのスタンダードになったように、ダンまち1話はなろう映像化のスタンダードになったのではないか?
 試しに「なろう」ランキングからいくつか作品を読んでみよう。
http://yomou.syosetu.com/rank/list/type/total_total/
 文章が拙くても、酒場と言えば1話のあのシーンが、ギルドと言えば1話のあのシーンが、賑やかな屋台通りといえば1話のあのシーンが脳内にくっきりと思い浮かぶはずだ。アニメ【映像】の持つ力は恐ろしい。まさに「百聞は一見にしかず」である。

『響け!ユーフォニアム』第5話「ただいまフェスティバル」
 この話は最後まで曲名を明かさない構成に見事にやられたので10選入り。おそらく放送直後にYouTubeで「Rydeen」を検索した人は相当数いたであろう。ストーリーの位置づけとしては序盤最大の見せ場というだけで特に捻りはないが、最後まで曲名を明かさないというギミックにより、視聴者視点からみると、デビュー前から応援してきた若き音楽家たちが羽ばたこうとするまさにその瞬間の目撃者になれるという「喜び」と、デビュー曲を見せつけられたフェスティバルの観客の「驚き」、この2つを同時に体験することとなり「喜び」と「驚き」の二重奏が奏でられる。まさに二重の極み、ユーフォ製作スタッフのドヤ顔が目に浮かぶ必殺の構成である。

『英国一家、日本を食べる』第2話「最高の天ぷら」
 孤独のグルメシーズン5も終わり、今年も残すところあと僅かの師走の候、元旦の旭川出張編SPの番組予約は済んでいるでしょうか?アニメ的に今年は1月の幸腹グラフィティから始まり、数多くの料理アニメが放送されていた印象。その中でもワカコ酒のウニクレソン回と焼き鳥回は破壊力が高かった…。そして、忘れてはならないのはこの「英国一家」シリーズである。アニメ本編も面白いが一番危険なのは後半の実写パートである。この第2話前半アニメからの後半実写天ぷらパートは、次の日の献立を天ぷらに強制変更させられる危険なコンボである。絶対に夜中に観てはいけない。うっかり観てしまい、次の日、てんやを探して三千里の旅に出た自分が言うので間違いない。天ぷら回恐るべし。

『うしおととら』第20話「妖、帰還す」
 アニメ化が決定したときから一番観たかったシーン。獣の槍の誕生回。ギリョウ役の宮野真守さんは良い仕事をした。裏番組でチョコレート溶かしていたけど良い仕事をした。宮野エモーションは獣の槍に溶け込んでいた。客観的にみれば救いの無いエピソードであるが「我らは白面の者を倒すまで、蒼月の心の内に在る」の一文が刻まれたことにより最後に希望が残った。

『落第騎士の英雄譚』第10話「深海の魔女VS雷切」
 シルバーリンクが魂を削って創り上げた「珠雫VS会長」戦闘回。原作者をして「アニメ化されてよかった」と言わしめた超戦闘シーンは必見。ストーリー的には最終話の「互いの道程が花火のように咲いて散る(幽遊白書)」一輝VS会長の方が素晴らしいが、この回も勝るとも劣らない神回である。おそらくシリーズ自体が限られた予算とリソースで相当苦しかったと思われるが、限られたリソースを傾斜配分してこの戦闘を魅せることに注力した製作スタッフの心意気に乾杯!

『ワンパンマン』 第9話「不屈の正義」
 この作品を言葉で説明するのは無理なので、こちらから言えることは「今すぐ全話観ろ」だけです。武術の達人同士のみが成しえる試合を見るかのような流麗で暴力的な戦闘シーンは、不幸にも同時期に放送されてしまったドラゴンボール超を完全に過去の作品にしてしまった。まさに「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす 」である。

 その中からあえて1話だけ選ぶとしたらこの9話である。サイタマが追い求めた果てにある「強さ」とは何か?「ヒーロー」とは何か?その全ての答えが無免ライダーにある。

強さとは力のあることではない。優れていることでもない。大きいことでも勢いのあることでもない。弱くないということでも負けないことも意味しない。強さとは結局のところ、他の何物とも関係ない、それ自身が独立した概念であり、それを真に手に入れようとするならば、勝利や栄光といった他のすべてを犠牲にしなくてはならない(霧間誠一)

そして、何より屋台おでんが最強に美味そうである。


以上、りとまが選ぶ2015年TVアニメ10選(話数単位)でした。
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2015-12-29
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