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廣野大地
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内部留保に課税とはどういうことか?

希望の党公約,企業の内部留保に課税とはどういうことなのか調べました.

◆そもそも内部留保とは?

企業のお金の流れのうち,今回の話題に関係のあるものを図にした.一定期間に企業が得た利益から法人税が引かれたものが純利益である.企業はそのうち一部を配当に回す.残りは利益過剰金として企業の資産に組み込まれる(図中A).また,このように毎回組み込まれた利益過剰金の累計額が図中Bである.

Wikipedia [1] によると内部留保とは A または B を指す言葉である.今後,内部留保Aまたは内部留保B,あるいは単にA,Bと区別する.

◆小池さんはなぜ内部留保に課税しようとしているのか

企業の利益の使いみちには大きく3つが考えられる.

【利益を配当へ】
成長をあきらめ利益を配当に回す.投資が行われないので将来の利益は増えないが,利益は正しく株主に分配される

【利益を再投資へ】
利益を配当せず,利益過剰金(内部留保A)として資本に組み込んで,生産設備や研究開発などへ再投資する.それによって将来の利益を増やすことを試みる.株主は今すぐ配当を受け取ることはできないが,将来の利益(=配当)が増える事が予想されるので嬉しい

【利益を貯金へ】
利益を配当せず,利益過剰金(内部留保A)として資本に組むが,再投資には回さない.企業の貯金が増えるため赤字を出しても倒産しにくくなるが,株主からすれば旨味のない企業と言える

企業が貯金ばかりしていると,株主は利益を受け取れず企業が成長することもない.日経新聞によると日本では企業の総資産に占める現預金の割合が 12.8% であるのに対し,アメリカでは 3.6% だそうだ.[2] 小池さんは企業の貯金を内部留保への課税によって止めたいと思っている.

◆AとBどちらに課税するのか?

小池さんは新税の課税対象を300兆円と見積もっており [3],この額は B を念頭に置いていると思う.しかし,同様の制度を実施している韓国では課税対象になっているのは A のようだ [4].二重課税であるという批判も,課税対象が A であることを念頭に置いていると思う.(A に課税すると,企業の利益という同一の対称に法人税と新税を2重に課すことになる.Bに課税するなら法人税は利益に,新税は資産に課税されることになり,税を2重に課しているとはいえない)

いずれにしろ小池さんの説明は制度の詳細に踏み込んでいないので,AとBのどちらに課税しよとしているのかは曖昧だ.

◆AとBどちらに課税すれば,企業の貯金を止められるのか

Aに課税すると,「利益を自身の資産に組み込むか配当に回すか」という企業の選択に影響があると考えられる.実際に,韓国では配当金が増えたそうだ [4].一方で企業が成長するためには利益を自身の資産に組み込んだ後,その資産を再投資して設備投資に回さなければいけない.Aに課税すると再投資したい企業にとっては不利である.

ではBに課税すべきか.混乱しやすいが,B は「今までいくらのお金が自分の利益から資産に入ってきたか」を現す言葉で,その後のお金の使いみちによって変化する量ではない.仮に創業後,1億円を利益過剰金として資産に組み入れた企業が2社あって,1社はその1億円を使って設備投資を行い,もう1社は現預金として銀行に預けたとする.1億円の使い方は両者で異なるが,内部留保 B はどちらも1億円である.つまり B に課税しても積極的に投資を行う企業に対して有利なわけではない.(むしろ不利であるとも言える.Bを現預金で保有している企業は,その分を配当に回して課税対象であるBを減らすことができるが,Bを固定資産へ投資してしまった企業は,すぐに配当に回すことができないからだ)

◆では何に課税すればよいのか

利益を溜め込む企業に対して不利な税制にしたいのであれば,企業の現預金に対して課税するべきだ(図中C).そうすれば利益を配当や再投資に回している企業は払うべき税金が少なく,利益を現預金で保有している企業は,それを配当や再投資に回すインセンティブが生まれる.

◆結論

内部留保への課税では,利益を溜め込んでいる企業に対して不利な税制とは言えない.配当や再投資を増やしたいのであれば企業の現預金への課税が効果的ではないか.

[1] https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E9%83%A8%E7%95%99%E4%BF%9D
[2] https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL06HTZ_W7A001C1000000/
[3] https://www.nikkei.com/article/DGKKZO22023960X01C17A0EA3000/
[4] https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21995930W7A001C1EA2000/
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意味のない宿題が淘汰されていくのはいいことかなと思います.宿題をこなすためには時間というコストがかかるのだから,そのコストに見合ったリターンがなければ.単に「為になる」ではなく,「他の勉強よりも為になる」と思える宿題を出せるかどうか,出す側も問われているのでは.

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23539070W7A111C1CC0000/

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マネーの女神モネータの警告 カネ余り躍らぬ経済:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23434840T11C17A1000000/

貯蓄と投資の量が釣り合わないために、金余りが経済活動に結びつかないようです。貯蓄とはいま使わずに将来使いますというお金。投資とは今すぐ使って将来の生産を約束しますというお金なので、投資がないのに貯蓄しているということは、生産される見込みがない価値を将来消費しようとしていることになります。貯金が実際に使用される段になって生産が足りずに一気にインフレになるかもしれません。

貯蓄量と投資量を調節する役割を果たしてきたのが、実質利率ですが、利率には下限があるために貯蓄量と投資量を釣り合わせきれていません。何らかの形で貯蓄をより不利に、投資をより有利にする必要があると思います。


自宅の PC が起動しなくなったので再インストールがてら Ubuntu に切り替えてみました.かれこれ 3 〜 4 度目かの脱 Windows.いつもなにかしらできないことが見つかって Windows にもどっちゃうんですが

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ゼロからわかる経済の基本 https://g.co/kgs/QPfc4G
経済学を学ぶ・巻末の読書案内より1冊目です。
おそらく本当に基礎的なことが書かれていますが、それだけでデフレや公害、貿易摩擦など、なぜ起こるのか説明できるのがおもしろいと思います。

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良い本でした。経済学のバックグラウンドが全くなくても楽しめます。この本で岩田さんという方が日銀の副総裁をされていると知り、日本の経済に興味を持ちました。

読んだのは結構前なのですが、最近巻末の読書案内から本を読んでいこうとチャレンジしています。

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通勤中 Ethereum の smart contract の API と,オークションシステムのコードをちらちら見ていました.わずか 120 行あまりのコードで実際に使えるオークションシステムが実現できるのはすごい.
https://gist.github.com/bneiluj/75c6aba659518ad30cc8b8718a1ef88c

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「レモン市場」という言葉を初めて知りました。消費者が商品の優劣を購入前に評価できない市場を、皮が厚く外から中身の良し悪しが判断できないレモンにたとえて、レモン市場と呼ぶそうです。このような市場では物が売れなくなり、売り手にとっても買い手にとっても不幸です。

東芝解体 迷走の果て(下) 日本市場に消えぬ不信:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO21380280R20C17A9MM8000/

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一般療法の代わりに代替療法を選ぶと死亡リスクが上がる。生きようと必死な人に泥舟を差し出して、人を殺している。嫌な話です。

自衛するには賢くなるしかありません。統計からエヴィデンスを得て選択するという考え方が、もっと一般的になってほしい。義務教育で伝えるべき内容だと思います

代替療法、高まる死亡リスク:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO21627680Y7A920C1NZBP00/
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