Routine Ops Sim(ルーティン・オプス・シム)と呼ばれる、ISSでの日常的なタスクを実施するシミュレーション訓練がありました。

ロシア区画のスペシャリスト資格保有者であるアナトーリは朝9時から訓練を開始していましたが、ケイトと私は午後2時から合流です。
3人それぞれのタイムラインに従って、与えられたタスクを実施していきます。

私の最初のタスクはケイトと一緒にご飯の準備です。
パウチに入ったパン、ジュース、宇宙食の缶詰を取り出して、パンと缶詰はヒーターで温めます。
ジュースのパウチは水のディスペンサーに取り付けて、中に水を入れて、外からもみほぐして粉末を混ぜてやります。
パウチが良く出来ていて、水を入れるところから水が逆流してこないようになっています。

次のタスクは3人揃ってのビデオメッセージ収録。
ロシアの安全に携わる人たちを記念する日?というのがあるらしく、ISSのミッションを支えて下さっているミッションコントロールセンターのスタッフに向けたビデオメッセージです。
あらかじめ台本が用意されているので、それを3人で区切って読み上げるのですが、普段使わないようなロシア語の単語に四苦八苦(;´∀`)
私の分担箇所はまだ簡単な方でしたが、ケイトのは長めで大変そうでした。
収録を終えて地上に連絡すると、なぜかNGに。
私とケイトが台詞でつっかえたのがマズかったのでしょうか・・・
ぶーぶー言いながらも再度収録し直して、今度はOKをもらえました。

この後はもう3人完全にバラバラです。
私の次のタスクはトイレのメンテナンス。
尿処理に使われる特殊な液体のタンクの交換です。
タンクのコネクターの部分が特殊な形状をしているので、これは訓練でも同じタスクを練習したことがあります。
それを思い出しながら、無事にタンクを交換。

次にトイレの使用法。
これについては、以前の投稿でご紹介したのでそちらをご覧ください。
https://plus.google.com/101922061219949719231/posts/cVQtmLSDJ5k
かなり久しぶりに使うので(と言っても、使うふりです)、細かい注意点を忘れてしまっていて、手順書をしっかりと読みながらやりました。
使用法を誤ると、大変なことになりますからね。

次にディスペンサーの水質検査用のサンプル採取を行いました。
基本的には先ほどのジュースの作り方と同じで、サンプル用のパウチをディスペンサーに取り付けて、中に水を入れます。
このサンプルは、後ほどアメリカ区画にある専用の機器で中に含まれる有機化合物の有無を調べることになるのですが、それはヒューストンでやる訓練なのでここでは省略。
水の中の有機化合物の量を測ることで、微生物の量を知ることが出来るそうです。

次に貨物船で廃棄する物品の収集。
物品のリストに従って、ロシア区画の様々なモジュールから該当する物品を集めてきます。
最後に物品管理ソフトのデータベースを更新して終了です。
ISS内では無重力のために非常に物がなくなりやすいので、データベースの更新も十分に注意して行わなければなりません。
入力を間違えると、後でその物を使う人が大変な目に遭うからです。
ISSの長期滞在から帰還した宇宙飛行士に、しばしば滞在中に取り扱った物品の行方について、問い合わせが入ることもあるそうです。

次にアマチュア無線による地元の小学生(のふりをしたインストラクター)との交信イベント。
機器のセットアップから始まり、無線局の呼び出し、質疑応答を行いました。
アマチュア無線の交信は、電波の届く時間が非常に短いので、1人でも多くの方とお話が出来るように、質問もあらかじめ飛行士の手元に届いていることがほとんどです。
今日は、「宇宙飛行士になったきっかけは?」「宇宙での自由時間に何をしたいですか?」「今までで一番大変だった訓練は何ですか?」という3つの質問をもらいました。
このアマチュア無線の交信は、イベントだけでなく、空き時間に行うことも出来るので、結構面白そうだなと思っています。

最後に、非常用装備品の点検を3人で行うのですが、その途中でお約束の緊急事態発生!
今日のシナリオは、急減圧です。
昨日はソユーズの急減圧ですが、今日はISSです。
緊急事態に対しては、しっかりと対応手順が定められているので、それに基づいて行動します。
まずは気圧の低下するテンポから、気圧が危険な領域まで低下するまでの猶予時間を計算します。
今日はケースでは、約100分でした。
そのあとは、まず自分たちのソユーズの健全性をチェックします。
ソユーズがドッキングしているモジュールのハッチを閉めて、ソユーズ側で気圧の低下があるかどうかを調べます。
気圧が安定していれば、少なくともソユーズとそのモジュールは安全ということになります。
そのあとは、同様にハッチの開け閉めを繰り返して、空気漏れが発生しているモジュールを特定するまでこれを続けます。
今日はロシアのサービスモジュールと呼ばれるメインモジュールにドッキングしているプログレス補給船内での空気漏れでしたので、プログレスのハッチを閉めたところでケースクローズ。

デブリーフィングでは、各システムの担当インストラクターから講評と、アドバイスがあり、クルーとしての今回のシミュレーション訓練の点数が発表されます。
デブリーフィングを聞いていると、私たちが合流する前にもアナトーリには沢山の不具合が仕込まれていたようです。

来週、ISSロシア区画の総合試験がありますが、実施するタスクは今日と同じです。
ただし、ケイトと私はそれぞれお互いのタスクを交換します。
また、投入される不具合も今日のものとは異なり、当日の朝に自分たちが選ぶチケットによって決まります。
今日の反省を生かして、試験に臨みたいですね。

それでは、皆さんどうぞ良い週末を♪
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ロシア訓練
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