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R-0

ISSから、最後の投稿です。

朝、と言ってもISS時間の12時ですが、塩タブレットの摂取開始。
体重に応じて、渡されるタブレットの数が違います。
しょっぱいのかと思いきや、少し甘めのコーティングがされているので問題なく飲み込めます。
そしてとにかく、水を飲む飲む・・・
30分に一回くらいトイレに行きたくなるので、良い感じで水分補給出来ている気がします。

そのあと、JAXAのフライトサージャン(航空宇宙医師)と電話で最後の問診。
「きぼう」でタンパク質結晶生成実験のサンプルの取り出し、それをセルゲイに受け渡しました。
サンプルは黒いボックスに入っているので中の様子は窺い知れませんが、しっかりとした結晶が育っていることを願いながら。
しかし、私たちのソユーズは昨日の夜見た感じではかなり満杯状態でしたが、どこに積むんだろう・・・(; ・`д・´)
そのあとはお昼ご飯まで、後片付けの時間です。

立つ鳥跡を濁さず。

自分の荷物はもちろん、時間をかけて「きぼう」内を点検。
なんと言っても日本のモジュールですからね、次に金井さんが来るまで、みんなから「きぼう」が一番綺麗と言われる状態を保っておきたいものです。

19時頃からお昼ご飯予定で、そのときにまた塩を摂取しますが、20時には帰還に向けたソユーズの準備が始まるので、少し早めに済ませようと思っています。

そのあとの予定をざっと。
全てISS時間ですので、日本時間は9時間足して下さいね。


ハッチクローズ        21時30分
アンドッキング         00時35分(30日)

ソユーズはISSの下方に離脱して、そこから前方に向けてエンジンを噴かしてISSの前へ出た後、軌道力学に則ってISSの上方そして後方へと流れていきます。

軌道離脱噴射             03時06分35秒
モジュール分離           03時33分40秒
火の玉状態突入         03時37分56秒
最大G                          03時42分47秒

5Gくらいなので全く問題ない予定です。

パラシュート展開開始 03時44分42秒
“ソフト”ランディング 03時59分13秒 現地時間09時59分13秒 日本時間12時59分13秒

大気圏突入からは大気の状態にも左右されるはずですが、結構秒単位で正確に降りてくるらしいので、そのあたりのロシアの予測精度も見ものですね。
少し前のソユーズで、確か秒まで予定通りの時間に接地したとか。
驚異的です。

カプセルから出た後、草原で一服。
テントに運ばれそこでソコル宇宙服を脱ぎます。
ここで気持ち悪くなる人続出とか((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
私は特に脱ぐの大変ですからね~

そこからヘリコプターでカラガンダの空港へ移動。
このヘリコプターの中が、次に眠れるチャンスのようです。
帰還に向けて沢山の方からアドバイスをもらいましたが、その中の1つに、ここで一旦寝て重力環境で目を覚ますことによって、脳が「Reboot(再起動)」されて重力への適応を助けてくれるとか。
パソコンみたいで面白い考え方だなと思いました。

空港で歓迎セレモニーに出席し(注:体調次第)、そのあとヒューストンに向けて旅立つことになります。
帰還からヒューストン到着まで24時間くらいというのは、すごいことですね。


最後に皆様にお礼を。
ここまで愛読して下さって、応援して下さって、本当にありがとうございました。
皆様からの応援が本当に力になりました。
4ヶ月と、少し短めの滞在ではありましたが、その分密度の濃い滞在だったと思います。
第48次長期滞在では、第47次と合わせた統計ですが、これまでの週当たりの実験運用クルータイム(クルーが実験に携わった時間)の記録を塗り替えて新記録を樹立したことは、それを証明していると思います。
特に滞在中、小動物の長期飼育、エアロックの利用、静電浮遊炉、液滴群燃焼実験、タンパク質結晶生成実験など、「きぼう」を代表する多くの実験・研究に従事できたことは大きな喜びでした。
「きぼう」リードフライトディレクタの中野さん、市村さんを始めとする管制チームの方々、実験運用チームの方々、支援チームの方々、先輩宇宙飛行士の方々、今回の長期滞在ミッションに関わった全ての方々に感謝です。

私たち宇宙飛行士の世界をなるべくわかりやすくお伝えしたいという思いで始めたこのGoogle+ですが、これまで1年と10ヶ月、長期滞在に向けての訓練やISSでの実験、仕事、生活の様子まで、出来る限り忠実に書いてきたつもりです。
宇宙飛行士という仕事は、夢を語ることを求められることが多い職業です。
でも私の中にはずっと、それに対する違和感がありました。
夢を語ることや夢を実現するための方法というのは、世の中で沢山の人が実践していることです。
対して、私たち宇宙飛行士にしか伝えられないこと、語れないことというのは、やっぱり宇宙のことだと思うのです。
宇宙飛行士が宇宙へ行くためにどんな訓練をしていて、宇宙でどんな仕事を行っているのか、それを皆様にお伝えしたいという目的が果たせていればこれほど嬉しいことはありません。

当初はISSからの投稿で終わりにするつもりでいましたが、帰還後のリハビリの過程も興味のある方も多いのではないかと思い(実際私自身、自分の身体がどう戻っていくのか興味津々です!)、リハビリが一段落するまでこのGoogle+も続けたいと思っています。
あともう少し、良ければお付き合いください。

それでは、地球に帰りたいと思います!╭( ・ㅂ・)و ̑̑
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