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「原点は、対話。」吉田忠智
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【又市議員 社民党第5代党首に選出】
社民党の党首選挙が2018年1月26日に告示され、又市征治・参院議員が第5代党首に選出されました。2月24日・25日に開催される党大会で承認の上、新党首に就任いたします。
https://youtu.be/c3IBoS1USfc

▼又市征治プロフィール
http://www5.sdp.or.jp/member/mataichi_seiji.htm
http://blog.goo.ne.jp/mtrupo
http://www5.sdp.or.jp/comment/2007/06/21/%e3%80%8c%e9%80%b1%e5%88%8a%e6%96%b0%e6%bd%ae%e3%80%8d%e3%81%ae%e8%a8%98%e4%ba%8b%e3%81%ab%e5%af%be%e3%81%99%e3%82%8b%e5%85%9a%e8%a6%8b%e8%a7%a3/
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【当面の改憲の論点に対する見解】
2017年 7月20日
第48回常任幹事会
社会民主党常任幹事会

 安倍首相が5月3日の日本国憲法施行70年の記念日に開かれた改憲派のシンポジウムへのビデオ・メッセージや読売新聞のインタビューで、9条に自衛隊を明文で書き込むという考え方や高等教育の無償化について提起し、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と言明しました。これを受け、自民党憲法改正推進本部は体制を強化し、9月に「たたき台」を作成し、公明党などとの協議を経て11月上旬に改憲案をまとめるとしています。

 現在、自民党憲法改正推進本部では、具体的な改憲項目として、①9条に自衛隊の根拠規定を追加、②幼児教育から高等教育までの無償化、③大規模災害時に国会議員の任期を延長する緊急事態条項の創設、④参議院選挙区の「合区」解消の4点を柱に論議が進められています。

 しかし、9条1項、2項を残すとは言っても、自衛隊の明記は大きな矛盾や危険を有しています。また、高等教育の無償化、参議院選挙の「合区」の解消、緊急事態における国会議員の任期の延長は、憲法の条文自体を改正しなくても対応できるものです。

 本見解を活用し、各地での改憲阻止・活憲運動を一層強化していきましょう。

1.憲法9条1項、2項を残しつつ、自衛隊の根拠規定を追加することについて

(1)危険な安倍改憲案
○明記されるのは集団的自衛権を行使する自衛隊
 安倍首相や自民党は、憲法9条1項「戦争放棄」、2項「戦力不保持、交戦権の否認」を残しつつ、新たに「3項」又は「9条の2」を設け、自衛隊を明記しようとしています。
 これは、国民の多くが「専守防衛」に徹し、国内外の災害救助や非軍事の平和維持活動を行う自衛隊を容認していることを利用し、違憲の戦争法に基づく「集団的自衛権を行使する自衛隊」を書き込み、再び戦争ができる国に転換しようという狙いであり、きわめて危険です。

○死文化する9条2項
 「戦力不保持」と「交戦権否認」を規定した9条2項を残すのであれば、自衛隊の違憲論の根拠が残ることになります。「3項」で自衛隊を明記すれば、自衛隊拡大の歯止めとなってきた2項を死文化することにつながります。
 「多くの憲法学者や政党の中には自衛隊を違憲だとする議論が、今なお存在している」から「自衛隊を明文で書き込む」というのであれば、多くの学者が違憲と指摘している集団的自衛権の行使を認める「戦争法」や閣議決定こそ、廃止すべきです。

【参考資料】自民党の憲法改正案のたたき台
9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
(新設)
9条の2 前条の規定は、我が国を防衛するための必要最小限度の実力組織として自衛隊を設けることを妨げるものと解釈してはならない。
2 内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有し、自衛隊は、その行動について国会の承認その他の民主的統制に服する。

(2)平和憲法の成り立ち
○侵略戦争と植民地支配、戦争の惨禍
 大日本帝国憲法下の日本は、侵略戦争と植民地支配に乗り出し、15年にわたった太平洋戦争では、日本人だけで310万人、アジア全体では2000万人を超える尊い人命を奪いました。戦争によって国民の自由や権利は奪われ、国民生活は困窮し、国土は焼け野原となりました。広島・長崎への原爆投下や沖縄戦、各地での空襲などによって、多くの国民が戦争の犠牲者となりました。

○再び政府の行為による戦争の参加を起こさせない決意
 第二次世界大戦による惨禍の反省と教訓から生まれた日本国憲法は、国民主権、平和主義、基本的人権の尊重の3原則を明記し、前文で「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」の決意をうたい、全世界の国民が「平和のうちに生存する権利」を有することを宣言し、そして9条で戦争の放棄、戦力不保持、交戦権の否認を明記して、政府が再び戦争を起こすことがないようにしたのです。

○日本国憲法は人類共有の財産、平和国家は国際公約
 このように、日本国憲法は、戦争自体の違法化へ着実に進んできた国際人道法の流れに沿って、「武力不行使の原則」を盛り込んだ国連憲章をさらに発展させ、「交戦権」を否認し、「戦力の不保持」を定め、生存権や幸福追求権を保障するなど、人類の叡智を結晶させた人類共有の財産というべきものです。戦争によって多くの命を失った代償であり、わが国が平和国家として歩むことを定めた国際的な公約であり、他の諸国とりわけアジア近隣諸国の人々から信頼をかち得てきた支柱でもあります。

(3)自衛権・自衛隊
○「専守防衛」の実力組織、海外での武力行使はしない
 わが国は、国会内外の議論の積み上げの中で、自衛権発動の3要件として、①我が国に対する急迫不正の侵害があること、②他にこれを排除する適当な手段がない場合に、③必要最小限度の実力行使で防衛する―としてきました。そして、「…他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されない」としてきました。したがって、歴代政権も、自衛隊は、我が国が武力攻撃を受けた場合に備えた「専守防衛」の実力組織であり、海外で武力行使することはないとしてきたのです。

○「専守防衛」から逸脱した自衛隊の現状
 社民党は、社会党時代の1994年、「自衛のための必要最小限度の実力組織である自衛隊は憲法の枠内である」と規定しました。しかし、その後、新ガイドライン以降、憲法第9条の理念に反する立法(周辺事態法、テロ対策特措法、PKO法の改正、イラク特措法、有事関連法制など)が積み重ねられ、自衛隊の活動領域や装備の増強が「専守防衛」の範囲を大きく超えて拡大しています。こうした状況を勘案し、2006年の「社会民主党宣言」では、「現状、明らかに違憲状態にある自衛隊は縮小を図り、国境警備・災害救助・国際協力などの任務別組織に改編・解消して非武装の日本を目指」すとしています。

○「戦争法」で憲法の枠を大きく超える存在に
 「戦争法」によって集団的自衛権の行使を解禁し、海外での武力行使を前提とすることとなった現在の自衛隊は、憲法の枠をさらに大きく超える存在となっており、とうてい認めることはできません。集団的自衛権行使を容認する閣議決定の撤回と「戦争法」の廃止を強く求めています。

○「平和創造基本法」(仮称)を制定し自衛隊の縮小を
 社民党は、憲法9条を具現化し、自衛隊の活動範囲や理念などを定めた「平和創造基本法」(仮称)を制定し、その中に「戦力」に当たらない「専守防衛」の自衛隊も位置づけ、集団的自衛権の不行使の明記や、安全保障の基本方針として「専守防衛」や外交努力による紛争解決などを掲げ、当面、領海・領空・領土を越えて戦闘する能力・装備を削減し改編・縮小を目指します。

(4)日本の安全保障確立のための外交努力を
○平和外交と非軍事・文民・民生を基本とする積極的な国際貢献
 憲法前文は、「恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚」し、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意」したとうたっています。安全保障の要諦は、外交努力です。暴力からは、平和も繁栄も生まれません。外交の失敗が戦争につながるのであって、平和憲法を持つ日本こそ、朝鮮半島の緊張緩和のための非軍事的解決に積極的な役割を果たし、戦争の危機を回避する努力が求められています。国連憲章の精神、憲法の前文と9条を指針にした平和外交と、「人間の安全保障」の観点に立ち、非軍事・文民・民生を基本とする積極的な国際貢献で、世界の人々とともに生きる日本を目指すべきです。

○「北東アジア総合安全保障機構」と「北東アジア非核地帯化共同宣言」
 社民党は、2001年に、北東アジアに信頼と協調による多国間の総合安全保障機構(「北東アジア総合安全保障機構」)を創設(当面、日本、韓国、北朝鮮、中国、モンゴル、ロシア、カナダ、アメリカを想定)し、「国際紛争が生じた場合、武力不行使・平和的な話し合いでの解決を前提とする」ことを提起しました。あわせて当面、日本、韓国、北朝鮮、モンゴルの間で、「北東アジア非核地帯化共同宣言」を行い、「北東アジア非核地帯条約」の締結による非核地帯を設置できるよう提起しています。その後、野党外交で中国、ロシア、韓国、モンゴルに呼びかけ、大筋賛同を得て、2005年の「6か国共同声明」にこの内容が活かされてきました。韓国の文在寅大統領も、北東アジアの平和定着や交流・協力を訴える、多国間安全保障協力を中心とした北東アジア構想を提唱し、対話を呼びかけています。

○挑発と軍事力の応酬では解決しない
 現在、朝鮮半島をめぐる情勢が緊迫しています。もちろん、北朝鮮が核実験や弾道ミサイルの発射を繰り返し、アジアに大きな緊張をもたらしていることについて、社民党としても厳しく批判しています。他方、安倍首相が、アメリカの軍事行動を容認し、共同訓練を実施するなど、米国に追随し危機を煽っていることは、極めて危険なことと言わざるをえません。挑発に対し挑発、軍事力に対し軍事力では何も解決しません。

○2005年の「6か国共同声明」と2002年の「日朝平壌宣言」を活かす
 北朝鮮の行動の背景には、アメリカが北朝鮮を正当な国家と認めず、逆に北朝鮮敵視政策をとって「悪の枢軸」と位置づけ、核兵器を含む膨大な軍事力で包囲し、対北朝鮮制裁と圧迫を強めてきたことがあります。核実験やミサイル開発の背景には、米朝間に国交が正常化されておらず、米国に対抗しなければ、イラクのように一方的に攻撃され、北朝鮮の体制の維持が困難になるとの危機感が根底にあります。1950年6月に朝鮮戦争が始まって以来、米国と北朝鮮との戦争状態は終わっていません。いま求められることは、米朝会談を実現し、2005年の「6か国共同声明」に立ち戻り、停戦(休戦)協定を米朝不戦協定へ切り替え、国交正常化、経済援助の実施と核・ミサイルの放棄を一体で取り組む道筋を目指すことです。「平和的な方法による朝鮮半島の検証可能な非核化」と「北東アジア地域の永続的な平和と安定のための共同の努力」を約束している、2005年の「6か国共同声明」に北朝鮮が立ち戻るよう、アメリカはもとより中国、ロシア、韓国への働きかけを強め、相互の主権尊重、平和共存、国交正常化の措置をとるとした6か国の合意を前に進めるようにするべきです。あわせて、2002年の「日朝平壌宣言」等に基づく懸案事項の解決のために、粘り強い交渉と対話を行うべきです。社民党としても、あらゆる努力を惜しまず後押ししていきます。

2.幼児教育から高等教育までの無償化について

○無償化の法制化と財源を手当すれば可能
 憲法26条は「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」と教育権を保障しており、高等教育の無償化を妨げてはいません。26条を活かし、無償化の法制化と財源を手当すれば可能です。憲法に規定がないから教育の無償化ができないというのはとんでもないこじつけです。憲法を変える必要は全くありません。

○安倍政権に教育無償化を語る資格なし
 3年連続で教育予算を削ってきたのは安倍政権であり、かつて社民党も参画した連立政権下での高校授業料無償化に対し、「バラマキ」と批判し、所得制限をかけたのは自民党です。安倍政権に教育の無償化を語る資格はありません。

○国際的にも義務の履行を
 憲法に高等教育の無償化の義務の規定がないので、憲法を変えて義務化すると言いますが、日本は、中・高等教育への「無償教育の漸進的導入」を定めた国連人権規約A規約(13条2項b、c)の留保を外しており、高校・大学までの段階的な無償化を行う国際的な義務が生じています。「締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする」とする憲法98条2項からも教育の無償化の実現が迫られます。

3.大規模災害時に国会議員の任期を延長する緊急事態条項の創設について

○災害対応に大事なのは、事前の準備と現場の裁量
 自民党の憲法改正草案のように、大規模災害時等に対応するため、緊急事態条項が必要だという考えがあります。もちろん大規模災害や原発事故などの場合、国民の生命や財産等の保護が国家の最大の義務であり、政治の責任であることは当然です。しかし、東日本大震災では、緊急事態条項や基本法がなかったために、初動態勢が遅れ被災者を救援できなかったり、原発事故への対応が遅れたりしたのではありません。事態発生時に、スピード感を持って政策を決断し推進できるよう、統治能力や危機管理能力を磨く必要はありますが、災害対処に必要なのは、災害対策関連法の整備と事前の備え、現場の市町村の裁量を認めることであり、政府への権限集中ではありません。

○独裁につながる国家緊急権
 国家緊急権は、戦争や内乱、大規模な自然災害等で、平時の統治機構では対処できない非常事態において、国家の存立を維持するために、立憲的な憲法秩序である人権保障と権力分立を一時停止して非常処置をとる権限です。自民党の憲法改正草案では、国会の事後承認が必要であるとはいえ、政府が、自ら緊急事態を認定すれば、法律によらず政令(緊急政令)で国民の権利を制限し義務を課すことができ、国会の議決なく予算を使えるように規定され、自治体の長への指示権も付与されています。三権分立や地方自治を否定し、基本的人権を大きく制約する根拠となり、また、緊急事態の範囲も「我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める」とあり、非常に広いものです。アドルフ・ヒトラーは、当時もっとも先進的で民主的と言われたワイマール憲法下のドイツ共和国において、憲法48条の緊急事態条項に基づく大統領緊急令の濫用に乗じ、1933年に無制限の立法権を授権した全権委任法(「民族および国家の危難を除去するための法律」、授権法)を制定し、独裁的権限を手中に収めました。憲法を改正して国家緊急権に基づく緊急事態条項を盛り込めば、ナチスの大統領緊急令や全権委任法のように機能し、首相独裁につながることが懸念されます。強大な権限を内閣に集中させ、平時よりも国民の人権を強く制約するために改憲が必要だとの考えには賛成できません。

○大規模災害等の非常事態にこそ求められる基本的人権の具体化
 逆に、日本国憲法は、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の理念に照らし、そもそも非常事態を生ぜしめないように不断の努力をすることを規範として求めています。権力者による濫用を排除し、民主主義を徹底するために、あえて緊急事態条項を設けなかったといえます。そして第99条の憲法尊重擁護義務を課せられている者に、大規模災害等の非常事態にこそ、憲法の生存権をはじめとする基本的人権の具体化を求めているものと考えられます。

○国会議員の任期の特例等は「お試し改憲」そのもの
 大規模災害等の非常事態に、国会議員が不在となったり、選挙ができなくなったりすると、法律を作ったり予算を組んだりできず迅速に対応できないことなどを名目に、「衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる」として、国会議員の任期や選挙期日の特例に絞った緊急事態条項を設けてはどうかという考え方があります。しかしこれは、自民党憲法改正草案のような緊急事態条項新設の危険性への批判をかわすごまかしであり、「災害」を持ち出し、「手続きの不備」を理由に、マイナーな条項に絞ることにより、とにかく一度可能なところから改憲を実現したいという「お試し改憲」そのものです。

○任期延長は、国民の選挙の機会の剥奪につながる
 日本国憲法は、大日本帝国憲法とは異なり、衆議院議員の任期を4年、参議院議員の任期を6年(3年ごとに議員の半数を改選する)と憲法の条文で規定しています(45条、46条)。主権が国民に存することを宣言した日本国憲法は、前文で、「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動」することをうたい、「国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する」としており、国権の最高機関である国会が国民の代表として存在することの重要性を強調しています。国民主権の権利行使の手段が選挙であり、一定の期間ごとにそのときどきの民意を政治に反映させることを求めており、ときの権力者の思惑で簡単に動かせないよう、任期を法律ではなく憲法に規定をしたのです。任期の延長を認めた場合、その間は国民から選挙の機会を奪い、主権の行使ができなくなり、「緊急事態」であることの妥当性や任期延長の必要性、期間等の判断を政府に白紙委任してしまうことになってしまいます。

〇戦時体制の推進に任期延長が寄与した教訓
 1937年4月30日に行われた第20回総選挙で選ばれた衆議院議員の任期満了が目前に迫った1941年2月、現任の衆議院議員に限って4年の任期を1年間延長することを定めた「衆議院議員任期延長ニ関スル法律」が制定されました。この任期延長によって選挙が行われなかったことから、国民が戦争に対する民意を示すことなく挙国一致体制が作り出され、同年12月の真珠湾攻撃に至り、太平洋戦争に突入していきました。任期延長が戦時体制の推進に寄与することになったことの教訓からも、国会議員の任期の特例等は問題があります。

○緊急集会等で対応可能
 日本国憲法は、54条2項で「衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる」として、衆議院の解散時に、参議院の緊急集会の仕組みを設けています。緊急集会の規定は、GHQとの交渉の中で、不測の災害に対応する措置として日本側の要求で盛り込まれたとの指摘があります。衆議院の解散時も任期切れの際も、衆議院議員が不在の改選期間であることには代わりはなく、大規模災害時においても緊急集会の仕組みを活用すべきです。そして、「緊急集会において採られた措置は、臨時のものであつて、次の国会開会の後十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ」(54条3項)とされており、災害などの事態の回復後に衆議院の同意を得るようにすれば被災地の民意も反映できます。また、必要な措置については、憲法73条6号の法律による政令への罰則委任を活用し、災害対策基本法の厳格な要件の下で、内閣は罰則付きの緊急政令を制定できます。

○繰延投票を活用すべき
 大規模災害で選挙実施が困難な地域が発生した場合は、被災地以外の選挙区では予定どおり選挙を行い、被災地では、公職選挙法57条の繰延投票で対処し、別の期日に実施し、議員不在の状況を速やかに回復すればよいだけです。比例代表の議員が確定しなくとも、定足数である3分の1を満たせば、衆議院は活動することができます。したがって、憲法改正による議員の任期延長等の特例は必要ありません。

4.参議院の選挙区の合区の解消について

○憲法を改正して「合区」を解消?
 2016年の参議院選挙から、「一票の較差」是正のために、人口の少ない島根県と鳥取県、高知県と徳島県がそれぞれ「合区」され、都道府県単位の選挙区という従来の選挙区割りがはじめて変更されました。しかし、この「合区」に対しては、4県の住民を中心に、批判や不満が強く出されていることから、これに便乗して、憲法を改正して「合区」を解消しようという動きがあります。

○「合区」自体は問題あり
 もちろん、「合区」に際しては、①人口の少ない県から議員を選出できない、②歴史的文化的な背景を考慮していない、③人口変動によって更なる組み換えが必至であり、制度としての安定性に欠ける、ゲリマンダー的要素(人為的・恣意的な区割り)への懸念が拭いきれません。また、「合区」された2つの県において、候補者を選出できる県とできない県を生じさせることは、都道府県選挙区を歪めることにつながりかねません。

○違憲状態の解消を求める最高裁判決
 最高裁は、2014年11月26日、2013年7月21日に施行された第23回参議院通常選挙(選挙区選挙)について、「選挙区間の投票価値の不均衡は、…違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあった」とする「違憲状態」判決を行いました。そして「…投票価値の平等の要請や参議院の役割等に照らせば、従来の改正のように単に一部の選挙区の定数を増減するにとどまらず、都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で改めるなどの具体的な改正案の検討と集約が着実に進められ、できるだけ速やかに、現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法的措置によって違憲の問題が生ずる上記の不平等状態が解消される必要がある」と指摘していたのです。

○「合区」の導入を押し切ったのは自民党
 最高裁の判決を受け、参議院選挙制度の各党協議が行われてきましたが、他の政党の反対を押し切り、無理矢理「合区」の導入を押し切ったのは自民党です。しかも、「一票の較差」是正のためといいながら、この「合区」を含む定数見直しでもなお最大3倍程度の較差が残り、違憲状態が解消されたわけではありません。

○「一票の較差」の是正と民意の反映の両立
 「一票の較差」問題の本質は、憲法が求める投票価値の平等をいかに実現するか、という問題です。「一票の較差」の是正と同時に、民意を的確に議席数に反映させる選挙制度改革が必要であり、この2点を両立させるための選挙制度の改革を検討すべきです。「合区」の問題を解消するため、投票価値の平等という憲法の要請に応えられなくなっても、最高裁から違憲と言われないよう、憲法の方を変えてしまえというのは、余りに乱暴です。

○選挙区選挙を11ブロック単位に
 各選挙区間の「一票の較差」を2倍未満に是正するためには、従来の都道府県単位を維持しながら総定数を増やすか、選挙区の単位をブロック単位に改める必要があります。社民党は、「都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で改める」べきとの最高裁の判決の考え方に沿い、選挙区選挙を11ブロック単位に改める案を提案してきました。

○公職選挙法改正で可能であり、憲法改正の必要なし
 憲法47条は、「選挙区に関しては法律でこれを定める」としています。選挙制度の改正は、公職選挙法第14条の改正で可能であり、憲法改正の必要はありません。

5.憲法の理念や条項を活かす「活憲」運動を進めよう

○憲法の理念や条項に反するアベ政治の暴走
 憲法とは、主権者たる国民が、政治権力の専制支配を防止し、個人の自由や権利を保障させるために政治権力を縛るためのものです。しかしアベ政治の暴走そのものにみられるように、現実の政治は、平和と暮らしを破壊する憲法の理念や憲法が保障している人権が守られ活かされているとはいえない現状にあります。
・集団的自衛権行使を容認する「戦争法」は、憲法前文の平和的生存権及び9条に明確に違反します。
・「一億総監視社会」化につながる「共謀罪」は、憲法19条の「思想及び良心の自由」、21条の「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由」、31条の「罪刑法定主義」等に抵触します。
・憲法13条は、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」としています。しかし、原発は、住民の生命や利益に関わる人格権が侵害される具体的な危険があり、13条の「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」を真っ向から否定し、25条の生存権をも侵害します。
・憲法14条は「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」として、法の下の平等をうたっていますが、男女間や正規・非正規労働者の賃金や待遇の格差が存在します。
・憲法24条は、婚姻の自由と夫婦の権利の同等をうたい、2項で家族に関する立法は、「個人の尊厳と両性の本質的平等」に基づくべきであると定めています。しかし、女性差別は未だになくならず、選択的夫婦別姓も実現できていません。
・憲法25条は、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」として生存権を保障していますが、生活保護費の削減、年金カット、医療や介護の負担増などで空文化しているといわざるを得ません。また、働く者の4割、約2000万人が低賃金の非正規労働者であり、「過労死」を生み出す長時間過密労働が蔓延しています。
・憲法26条は、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」と教育権を保障していますが、高額の授業料や不十分な奨学金制度など、貧富や経済的格差の拡大で有名無実化しています。
・憲法28条の「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利」は、公務労働者には保障されていません。
・戦争放棄を宣言した日本国憲法は、地域に民主主義と自治を根付かせることによって、二度と戦争は起こさせないとした決意により、官治・中央集権の旧憲法とは異なり、第8章に「地方自治」の章を設け、地方自治を明確に位置づけ、保障するものとなりましたが、沖縄では民意を押しつぶすように辺野古の新基地建設が強行されています。

○「活憲」運動を進め、改憲の流れを押し戻そう
 憲法13条の「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」は、「立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」とされ、憲法12条は「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない」としています。今ほど憲法の理念や条文が、暮らしや政治に活かされるよう努力することが求められているときはありません。憲法が空文化し空洞化している現実を、憲法の理念や条文に沿って改革していく「活憲」運動を進め、改憲や条文の有名無実化の流れを押し戻していきましょう。

http://www5.sdp.or.jp/policy/policy/constitution/170720.htm
社民党OfficialWeb┃政策┃当面の改憲の論点に対する見解
安倍首相が5月3日の日本国憲法施行70年の記念日に開かれた改憲派のシンポジウムへのビデオ・メッセージや読売新聞のインタビューで、9条に自衛隊を明文で書き込むという考え方や高等教育の無償化について提起し、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と言明しました。これを受け、自民党憲法改正推進本部は体制を強化し、9月に「たたき台」を作成し、公明党などとの協議を経て11月上旬に改憲案をまとめるとしています。 現在、自民党憲法改正推進本部では、具体的な改憲項目として、①9条に自衛隊の根拠規定を追加、②幼児教育から高等教育までの無償化、③大規模災害時に国会議員の任期を延長する緊急事態条項の創設、④参議院選挙区の「合区」解消の4点を柱に論議が進められています。
www5.sdp.or.jp
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2017年6月15日

声 明
~「一億総監視社会」に道を開く「共謀罪」法を絶対に許さない~

社会民主党

 安倍政権と与党は、民主主義の危機を憂い国会周辺に集う多くの市民の「『共謀罪』反対」の叫びに耳を傾けることなく、「共謀罪」法案について委員会での審議を打ち切る中間報告という禁じ手に踏み切りました。社民党は、統一会派を組む自由党などとともに、院外の皆さんとの連帯の意を込め、牛歩戦術で最後まで徹底的に闘いましたが、法案は本日8時前、強引に可決・成立させられました。良識の府・再考の府・熟議の府としての参院の存在意義を、与党議員が自ら貶める愚挙がまたもや繰り返されたのです。社民党は、民主主義を破壊する安倍政権の度重なる暴挙に、満腔の憤りを込めて抗議します。

 安倍政権は、テロ対策やオリンピックを口実に国民をだまくらかそうとしてきましたが、実行行為を罰する刑法の原則を逸脱し刑罰の枠組みを一気に広げる、「組織的犯罪集団」や「準備行為」の定義が曖昧で一般市民が捜査対象になる恐れがあり萎縮効果をもたらす、計画段階の動きを把握するため捜査当局による監視が拡大する懸念が拭えない、テロとは無関係と思われる犯罪も対象に多数含まれ本当にテロ対策なのか疑わしい、公権力がプライバシーに踏み入り内心の自由や言論・表現の自由を侵す恐れが大きい――等々、さまざまな懸念や疑問は、参院審議を通じても何ら解消されないどころか深まるばかりでした。にもかかわらず、衆議院の審議入りからわずか2か月余、公聴会すら1度も開かず、法案に強く反対する国内外の広範な世論に背を向け、森友・加計両学園をめぐる重大疑惑に蓋をするように衆参両院で強行採決を重ねた安倍政権の暴走は、憲政史上に拭い難い汚点を残しました。

 安倍政権は、特定秘密保護法、集団的自衛権の行使を認めた「戦争法」に続き、憲法の基本原則を曲げる重大法案をまたも数の暴力で押し通したのです。特定秘密保護法で国に不都合な情報を隠して国民の知る権利を侵し、「戦争法」によって憲法9条をねじ曲げて自衛隊による海外任務を拡大させ、今度は「共謀罪」法案で捜査当局の権限をなし崩しに拡大し国民を徹底的に監視しようと目論んでいます。そして一連の策動の先には、2020年までの憲法9条の改悪が視野に入っていることは疑いようもなく、安倍政権は日本をこれまでとは全く違う息苦しい社会に変質させようとしています。歴史に学ばない愚を繰り返す安倍政権を断じて許すことはできません。

 社民党はじめ野党4党は、最後まで徹底的に闘い、14日中の採決を阻止したものの、国会の場においては、与党の数の力の横暴を押しとどめることができませんでした。しかし、世論調査でも明らかなように、「政府の説明が十分だと思わない」、「今国会中に成立させる必要はない」、「『共謀罪』法案に反対」が国民の多数の声です。社民党は、好戦的・強権的な本性を剥き出しにする安倍政権の暴政と徹底的に対決します。日本の針路を誤らせるあらゆる策動を食い止めるべく、国民の内心の自由を土足で踏みにじり監視社会に道を開く法律の問題点を、今後もさまざまな国会審議の場を通じて厳しく追及します。社民党は、立憲野党と共闘を強化し、そして院外の幅広い市民の皆さんと力を合わせて、一日も早い「共謀罪」法の廃止と安倍政権の打倒に向け、党の総力を挙げ最後まで闘い抜きます。

http://www5.sdp.or.jp/comment/2017/06/15/%e5%a3%b0%e3%80%80%e6%98%8e-%ef%bd%9e%e3%80%8c%e4%b8%80%e5%84%84%e7%b7%8f%e7%9b%a3%e8%a6%96%e7%a4%be%e4%bc%9a%e3%80%8d%e3%81%ab%e9%81%93%e3%82%92%e9%96%8b%e3%81%8f%e3%80%8c%e5%85%b1%e8%ac%80%e7%bd%aa/
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【加計学園問題 「個人フォルダなぜ調べない」】
●文科省の「加計文書」やり取りで吉川元・政審会長が追及

学校法人「加計(かけ)学園」の国家戦略特区への獣医学部新設計画に安倍首相が介入して政策がねじ曲げられたという疑惑は、内閣府から文部科学省が「総理のご意向だと聞いている」「官邸の最高レベルが言っている」と言われたと記された文科省内で作成されたと思われる文書について、同省の前川喜平前事務次官がその存在を認めるという異例の展開となった。社民党の吉川元・衆院議員は5月26日の文科委員会で「(文書の)存在が確認できなかった。複数の手法により多面的に調査を行なった」とする松野博一文科相らに対し、「個人の(パソコンの)フォルダーを調べなければきちんと調査したことにはならない」と迫った。

▼天下り問題では調べた前例がある

吉川議員は「これをもって調査を尽くしたと言えるのか」と質問。これに対し同省の義本博司大臣官房審議官は、書類と共有フォルダーの調査を行なうとともに、組織として用いるものではないので本来は調査対象である行政文書ではない個人メモについてもヒアリングで確認したと答えた。

納得しない吉川議員は「メモはそもそも行政文書ではないという話だ。共有フォルダーにあるわけない。共有フォルダーにあったら行政文書だ。ないところを探している。なぜ個人のフォルダーを調べないのか」と追及。組織的天下りあっせん問題では個人のパソコンも調べたではないかとただした。松野文科相は、先の問題の調査は再就職等監視委員会の法定調査として行なわれたので、事情が異なるとごまかした。吉川議員は「何か隠しているのではないかとしか思えない」と不信感をぶつけた。

また、吉川議員が前川前事務次官の証言に対する認識をただすと、文科相は「1月に辞職された方だから文部科学省としてコメントする立場にはない」と平然と答弁。吉川議員は「だとしたら前事務次官に来ていただいて話をうかがうしかない」と指摘し、前川前次官の参考人招致を拒否する自民党の矛盾を突いた。

さらに吉川議員は、前次官が一連の文書は昨年9月28日と10月4日に部下から示されたものだと証言していることについて追及。同省の常磐豊高等教育局長は「そのテーマについても内部の打ち合わせがあったかもしれないが、詳細は承知していない」と答えた。吉川議員は、当事者の同局専門教育課長は国会に出せないが、局長がきちんと答弁するという話だったのではなかったかとして、「これでは質問できない」と憤慨。常磐局長は、多忙な時間との打ち合わせは「あらかじめ設定されているわけではないので記録も残っていない」と逃げの一手。吉川議員が「だから(課長に)答弁に来てくださいと言ったのだ」とたたみかけると、同局長は打ち合わせの日時と内容について「あくまでも行政の意思決定の中での話なので、基本的には答弁を差し控えさせていただきたい」と本音をさらした。

(社会新報2017年6月7日号より)

●社民党OfficialWeb
http://www5.sdp.or.jp/topics/2017/06/02/%e5%8a%a0%e8%a8%88%e5%ad%a6%e5%9c%92%e5%95%8f%e9%a1%8c%e3%80%80%e3%80%8c%e5%80%8b%e4%ba%ba%e3%83%95%e3%82%a9%e3%83%ab%e3%83%80%e3%81%aa%e3%81%9c%e8%aa%bf%e3%81%b9%e3%81%aa%e3%81%84%e3%80%8d/
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【安倍首相の「2020年改憲発言」に関する見解】
2017年5月31日 社会民主党全国連合常任幹事会

1.安倍首相は、5月3日、憲法施行70周年の記念日に開かれた改憲派の集会にビデオ・メッセージを寄せ、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と言明し、改憲項目として「9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」ことや、「高等教育の無償化」について例示した。
この「2020年改憲発言」は、誰よりも「憲法を尊重し擁護する義務」を負っている首相の憲法99条違反であるとともに、憲法改正の発議権を有する立法府への越権行為である。国会では、「発言は党総裁としてのものだ」と使い分けているが、そのような便法が許されるはずもない。権力は憲法に縛られるという立憲主義を踏みにじる言動は断じて許されない。

2.安倍首相は、「多くの憲法学者や政党の中には自衛隊を違憲だとする議論が、今なお存在している。『自衛隊は、違憲かもしれないけれども、何かあれば、命を張ってくれ』というのは、余りにも無責任だ」と述べ、「9条1項、2項を残しつつ、3項以降に自衛隊を明文で書き込む」意向を示した。学説上の違憲論の多くは、「戦力不保持」と「交戦権否認」を規定した2項との関係であり、2項を残すのであれば、違憲論の根拠が残り、矛盾が生じる。あえて9条内に矛盾を抱えることによって、9条が自衛隊拡大の歯止めとなってきた規範性を無力化しようとするものに他ならない。
そもそも多くの学者が違憲と指摘している集団的自衛権の行使を認める「戦争法」や閣議決定こそ、廃止すべきである。違憲と言うのならば憲法自体を変えてしまえという発想は、きわめて乱暴かつ危険であり、違憲の現実があれば、憲法を活かす方向にこそ取り組むべきである。

3.首相の言う自衛隊の明記は、国民の多くが肯定している、「専守防衛」に徹し、国内外の災害救助や非軍事の平和維持活動を行う自衛隊の存在を単に規定するものではない。安倍政権が強行した違憲の「戦争法」に基づく集団的自衛権を行使し、アメリカとともに海外で戦争ができる自衛隊である。自衛隊を憲法に位置づけることによって9条1項、2項を死文化させ、立憲主義を踏みにじる狙いは明らかであり、任務や装備の一層の拡大・強化に加え、軍事の論理が平和主義を浸食することを許すことにつながると言わねばならない。

4.また、「高等教育の無償化」のための改憲というが、そもそも3年連続で教育予算を削ってきたのは安倍政権であり、かつて社民党も参画した連立政権下での高校授業料無償化に対し、「バラマキ」と批判したのは自民党である。憲法26条は高等教育の無償化を妨げてはおらず、この条文を活かし、無償化の法制化と財源を手当すれば可能であって、憲法を変える必要は全くない。

5.憲法審査会の職務を定めた国会法第102条の6においては、「日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的に調査を行う」と明記しており、安倍首相の提案を議論する場ではない。違憲の「戦争法」の実態や安倍内閣による9条の解釈変更の違憲性こそが徹底追及されなければならない。また憲法条文の空文化の現実を徹底して検証すべきである。

6.社民党は、護憲の党として、戦争を放棄した国から戦争のできる国へ180度転換を謀る安倍改憲の狙いや問題点をしっかり国民に知らしめ、2020年の改憲スケジュールの既成事実化を許さず、改憲阻止・活憲運動の一層の強化を図り、安倍首相の野望を断固阻んでいく。

●社民党OfficialWeb
http://www5.sdp.or.jp/comment/2017/05/31/%e5%ae%89%e5%80%8d%e9%a6%96%e7%9b%b8%e3%81%ae%e3%80%8c%ef%bc%92%ef%bc%90%ef%bc%92%ef%bc%90%e5%b9%b4%e6%94%b9%e6%86%b2%e7%99%ba%e8%a8%80%e3%80%8d%e3%81%ab%e9%96%a2%e3%81%99%e3%82%8b%e8%a6%8b%e8%a7%a3/
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【「共謀罪」法案の衆院本会議採決を弾劾する(談話)】
2017年5月23日 社会民主党 幹事長 又市 征治

1.本日、安倍政権と与党は衆院本会議で「共謀罪」法案の採決を強行した。「計画」に加わるだけで処罰可能とする同法案は、実行された犯罪を処罰する日本の刑法原則を根本から覆し、国民の思想・信条の自由や表現の自由を侵害する恐れが強く国民の不安や懸念は膨らむ一方だが、審議入りからわずか30時間余りで採決に踏み切るなど、民意と国会軽視の暴挙と言うほかない。社民党は、委員会での強引な採決は無効であり、法案を委員会に差し戻すべきとの立場で、自由党とともに衆院本会議を欠席し、満身の憤りを込めた抗議の意を表した。

2.衆院での審議は、法務委の鈴木淳司委員長(自民)が与野党全会一致の慣例を無視して法務省の林真琴刑事局長の常時参考人出席を職権で決めて、答弁が右往左往する「金田勝年法相隠し」が際立ったが、そんな審議の中でも従来の政府の説明と明らかに矛盾する重要な答弁・問題点が幾つも飛び出した。「一般人は捜査対象にならない」と繰り返す金田法相に対し、盛山正仁法務副大臣が「対象にならないことはない」と打ち消した。また法相は「『一般の方々』とは組織的犯罪集団と関わりがない人々」と答弁し、安倍政権の言う「一般人」の範囲が極めて限定的・恣意的で、単に「組織的犯罪集団に所属していない人」程度の意味しか持っていないことも明らかになった。そして過去の「共謀罪」法案との比較に関して林刑事局長が「限定した適用対象の範囲は同じ」と明言し、一般市民も対象になると、批判を浴び3度廃案になった過去の法案と実態は何ら変わらない事実を認めた。さらに「準備行為」がなくても任意捜査は可能と認めた事実は極めて重大で、一億総監視社会に道を開き民主主義を窒息させかねない「共謀罪」法案の危険な本質が改めて浮き彫りになった。

3.世論調査では、政府による「共謀罪」への説明が不十分とするのが8割近くに上っている。また、国連のプライバシー権に関する特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏からも、今回の法案について、「計画」や「準備行為」の文言が抽象的であり恣意的な適用のおそれがあること、対象となる犯罪が幅広くテロリズムや組織犯罪と無関係のものを含んでいること、いかなる行為が処罰の対象となるかが不明確であり刑罰法規の明確性の原則に照らして問題があることなどの指摘があり、プライバシーや表現の自由を制約するおそれがあるとの懸念を示す書簡が安倍首相宛てに送付されている。社民党は、今後も参議院での審議の機会を捉えて、法案の問題点を徹底的に追及するとともに、市民団体・労働組合、法曹界、言論界、文化人等幅広い皆さんと連携を強化し、断固として廃案に追い込む決意である。

●社民党OfficialWeb
http://www5.sdp.or.jp/comment/2017/05/23/%e3%80%8c%e5%85%b1%e8%ac%80%e7%bd%aa%e3%80%8d%e6%b3%95%e6%a1%88%e3%81%ae%e8%a1%86%e9%99%a2%e6%9c%ac%e4%bc%9a%e8%ad%b0%e6%8e%a1%e6%b1%ba%e3%82%92%e5%bc%be%e5%8a%be%e3%81%99%e3%82%8b%ef%bc%88%e8%ab%87/
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共謀罪の強行採決後、4野党国対委員長会談が開催され、社民党から吉川はじめ議員が出席。

①法務委での共謀罪法案の強行採決は認められず委員会に差し戻し審議すべき。本会議に上程すべきではない。

②加計学園問題、早急に総理出席の予算委員会・集中審議を開くよう求める

――の2点を確認しました。

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【「共謀罪」法案の強行採決に断固抗議する(談話)】
2017年5月19日 社会民主党 幹事長 又市 征治

1.本日、安倍政権と与党は、衆院法務委員会で事実上の「共謀罪」を導入する組織犯罪処罰法改正案の採決を強行した。法曹関係者や学者、言論人やメディア関係者など幅広い団体の相次ぐ反対表明に加え、多くの国民から「共謀罪」創設反対を訴える署名が国会に提出されるなど、憲法の保障する思想・信条の自由や言論の自由が侵害され監視社会につながるとの、広範な国民の民意を踏みにじる暴挙は断じて認められない。社民党は、政府・与党の横暴に満腔の怒りをもって抗議するとともに、このような数の力に頼んだ横暴な採決は無効であり、大島理森衆院議長に対し直ちに法案を衆院法務委員会に差し戻し、本会議を開かぬよう強く要求する。

2.衆院での審議入りからわずか30時間余りで、審議が尽くされていないことは明々白々だ。しかも法務委の鈴木淳司委員長(自民)は、野党側が全く要求していない法務省の林真琴刑事局長の常時参考人出席を強引に職権で採決し、政治主導の観点から政府参考人の出席は委員会の開会ごとに全会一致で決める長年の慣例を投げ捨てるなど、本日の強行採決に至るまで常軌を逸した強権的な委員会運営を続けた。加えて金田勝年法相の答弁は連日、二転三転し一貫性に著しく欠ける上、法相への質問に刑事局長が答え、法相がそれをなぞって同じ説明を繰り返す場面も目立ち、法案の責任者である法相と補佐役にすぎない官僚の主従関係が逆転するなど、今回の「共謀罪」法案の審議は異例、異常と言うほかない。所管大臣すら法案の内容を十分理解しているとはいえず、満足に説明できない法案を、数の多数を頼んで押し通すなど国会軽視も甚だしく、民主主義の破壊にほかならない。

3.これまでの審議で、何が「組織的犯罪集団」「合意」「準備行為」に当たるのか、本当に一般人は捜査対象にならないのか、計画段階の捜査で恒常的な監視など人権侵害の恐れや冤罪・誤認逮捕の危険性はないのか、277の対象犯罪は適正か、国際組織犯罪防止条約(TOC条約)は本当にテロを対象としているのか、現行の法体系で本当に日本はTOC条約を締結できないのか――などの疑問は何一つ解消されていない。

4.与党と日本維新の会による修正案も、法案の危険な本質を何ら改善しない無意味なものだ。法案本則に加えるという「(捜査の)適正の確保に十分配慮しなければならない」などの抽象的な文言や、附則に取り調べ可視化やGPS(衛星利用測位システム)を使った捜査の在り方の検討を記す程度では実効性は極めて乏しく、行き過ぎた捜査のチェックや内心の自由の侵害への歯止めには到底なり得ないばかりか、逆にGPS利用の制度化でさらなる監視社会強化につながる恐れすら含んでいる。

5.社民党は、「共謀罪」法案に懸念を有するあらゆる団体・個人と国会内外で共闘を一層強め、廃案に追い込むまで断固として闘い抜く。
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【安倍改憲発言 9条を死文化させ立憲主義を放棄】

 安倍首相は3日、改憲派集会に寄せたメッセージの中で「9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込むという考え方は国民的な議論に値する」と提起し、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と言明した。1日の「新憲法制定議員同盟」大会出席に続いてのことであり、99条の憲法尊重擁護義務無視の態度は確信犯的だ。一方国会では、発言は党総裁としてのものだと使い分け、内容的な議論を避けている。野党第1党の民進党揺さぶりを企図しているとはいえ、他方で「国防軍」創設を明記した自民党改憲案との整合性という難題を抱えることになっている。

 難問はかなり重い。「自衛」について憲法には何も書かれていないことこそが、戦後保守政権の安保・自衛隊政策を支えてきたのだから。自衛権は国家固有の権利、すなわち憲法以前・憲法外のものとされた(だから司法審査の対象でもない)。再軍備過程ではこの固有の国家主権論に基づき、その実現方法について警察力論(警察予備隊)、近代戦争遂行能力の不保有論(保安隊)がとられたのに続き、自衛隊発足に至り「自衛のための必要最小限度の実力」は「戦力」に当たらず合憲との「自衛力論」が採用され、自衛の名の下で武力行使を認めた。

 この基本的論法は近年の戦争法制定まで一貫しており、「外国の防衛それ自体を目的とする武力行使は今後とも行なわない」が、「自衛の措置」としての「限定的な集団的自衛権行使」は認められるという地点にまで到達している。政府・与党がよく言う「これからも海外で戦争はしない」とはそういう意味だ。これは裏を返せば、海外で武力行使はできないという9条規範の縛りの強さを示している。これまで9条を相対化するために持ち出されてきた自衛権、さらに憲法にある平和的生存権や幸福追求権には、これらの名においてなぜ武力行使が認められるのかについて、憲法に則して説明されたことがないという共通点がある。

 しかし、戦力不保持と交戦権否認を規定した9条2項を残しつつ、自衛隊の存在を明記するという首相提案は、いわば憲法外原理に依拠することで辛くも支えられてきた自衛隊の位置付けに、新たな矛盾を持ち込むことになる。それは具体的には自衛隊が海外で紛争当事者となった場面において決定的に表れるだろう。

 9条の危機と立憲主義の危機はコインの裏表だ。

(社会新報2017年5月17日号・主張より)

●社民党OfficialWeb
http://www5.sdp.or.jp/publicity/shimpo/opinion/170517.htm
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【関西電力高浜原発4号機の再稼働に抗議する(談話)】
2017年5月17日 社民党 幹事長 又市 征治

1.関西電力は、本日夕方、福井県にある高浜原子力発電所4号機を再稼働させた。高浜原発3号機と4号機については、昨年3月、大津地方裁判所が住民の不安や懸念を受け止め、運転の差し止めを命じる画期的な決定を行っていた。しかし、本年3月、大阪高等裁判所がこれを取り消し、再稼働を認めた経緯がある。社民党は、住民の安全をないがしろにしたまま再稼働を強行した、関西電力、政府、原子力規制委員会に対し、断固抗議する。

2.高浜原発3号機・4号機は、制御が難しく安全性の余裕度を減らすものとの指摘があるMOX燃料を使用するプルサーマル発電である。また、活断層などによる地震の対策や津波対策も不十分であり、実効性ある多重防護体制もなく、使用済み核燃料の対策なども未整備のままである。さらに、50キロ圏には近畿地方1400万人の「水がめ」である琵琶湖も存在する。いったん事故が起きれば、関西全域に甚大な被害を及ぼすことは必至である。

3.東日本大震災から丸6年を迎えたが、東京電力福島第一原子力発電所事故は収束せず、原因究明もなされていない。この間、電力需要ピークも原発なしで乗り切り、その後も安定的な電力供給が続き、「電力不足」は発生していない。到底、高浜原発の再稼働を容認できる環境にはない。関西電力は4号機の稼働を停止するとともに、今後予定されている3号機の再稼働を断念すべきである。

4.社民党は、原発再稼働を許さず、多くの市民の皆さんとともに、改めて、高浜原発の問題点を徹底追及するとともに、「脱原発」社会の実現に引き続き全力を挙げる決意である。

●社民党OfficialWeb
http://www5.sdp.or.jp/comment/2017/05/17/%e9%96%a2%e8%a5%bf%e9%9b%bb%e5%8a%9b%e9%ab%98%e6%b5%9c%e5%8e%9f%e7%99%ba%ef%bc%94%e5%8f%b7%e6%a9%9f%e3%81%ae%e5%86%8d%e7%a8%bc%e5%83%8d%e3%81%ab%e6%8a%97%e8%ad%b0%e3%81%99%e3%82%8b%ef%bc%88%e8%ab%87/
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