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宝石工房ヴァンモア
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ジュエリーの制作やデザインの仕事をしている長い歴史の中で、この「アレキサンドライト」という宝石を語らない訳にはいかない!。そんな至極の逸品として正に『変色する宝石の王』とも、世界の五大宝石(貴石であるダイヤモンド・ルビー・サファイア・エメラルドの四大宝石にプラス一大宝石として加えられて)に名前を連ねる中でも宝石愛好家が憧れとしてこよなく熱望し『ダイヤモンドを凌ぐほどの宝石の王様』と崇められ君臨していた時代が日本にもあった事には特別な理由があったと感じます。
その一つは【変色効果(カラーチェンジ)による自然から生み出された魔法の魅力】で、貴石を全て集めたジュエリー嗜好の高い方々のハートを射止めた時期がちょうど日本高度成長の絶頂期にあったからと思います。
この変色効果は照射される光源[光の波長(解りやすくは:蛍光灯と白熱灯)]によって変化するのですが、光学的な検知から説明すると、鉱物組成であるクリソベリル【BeAl2O4】にごく微量の鉄やクロムなどの不純物を含むことから生じます。
・青緑色系スペクトルの強い太陽光(または蛍光灯の明かり)の下では暗緑色を示す。
・橙赤色系スペクトルの強い蝋燭の明かり(または白熱灯の明かり)の下だと色が鮮やかな赤色に変わる。
という現象ですが、文章で少し解りやすく説明したいと思います。
よく馴染みのある光線の名前に「紫外線」と「赤外線」があります。どちらも目に見えない《不可視光線》で、その間に《可視光線》が虹色に紫・青・緑・黄・橙・赤 と存在する状況です。宝石の色もそのどの色が吸収されて見えず残りの色がどの程度見えるかで決まります。そこでアレキサンドライトはというと微量の不純物によって紫・黄を吸収して青・緑と橙・赤が目に見えてきます。通常ですとこれだけの全ての色がどれだけの光量混ざってどう見えるかになるのですが、アレキサンドライトは反射する光に青&緑色要素と橙&赤色要素の両方が平均的にあるため光源のスペクトルが青緑色系VS橙赤色系のどちらが強いかで変色するという事です。そうなんです、≪両方が平均的≫ということが重要なポイントなんですね。どうでしょう?解りますでしょうか。
太陽光と蝋燭の炎で表現出来る変化を楽しめる情景も、また情緒を感じて所有して試したくなる魅力の一つと言えるでしょう。
また、同じような効果としてカラーチェンジガーネットなども存在しますので、区別されて《アレキサンドライト効果》と呼ぶこともあります。

そして、もう一つは【硬度8.5とされながら優れた靭性による日常身に着ける安心感の或る硬さ】が、宝飾販売店やジュエリーデザイナーと制作の職人の中でも多彩なデザイン性を持たせる事につながり、若干硬度や処理の心配があるエメラルドよりアドバイザーの方々が興味を惹かれるようになったと思います。そこでモース硬度と靭性の解説ですが、確かにダイヤモンドは硬度10で一番硬い(現在は【ウルツァイト窒化ホウ素】が地球上で一番硬いそうですが...)のですが、実は劈開面があるので一定方向に衝撃を加えると割れます。職人の世界では定説なのですが、その劈開が無い事で得られる『靭性』の面ではダイヤモンドよりもルビー、サファイヤのコランダムやジェイダイト、ネフライトの翡翠と称される宝石の方が高く、アレキサンドライトもその上位に属しています。制作する上ではこの靭性の方が安心なこともあります。

更に、もう一つは【産出量が少なく大きいものあまり取れないという希少性】です。3カラット以上の宝物に出会う事はほぼ皆無で、尚且つ通称「ジェムクオリティ」と呼ばれる上級のカラーチェンジを見せるものも少ないというのが正にコレクターズアイテムとして扱われるのだと思います。仕入れなどの際、このジェムクオリティを見極めるのが難しく、光源条件を一定の認識で見なければいけないので各国で仕入れる際は自然光の状況が変わりますからお気を付け下さい。

このような一級宝石に相応しい要素を兼ね備えていることが、高級となる知名度に上り詰める結果につながったのは言うまでもない事と思いますね。

一般的な歴史の話は、1830年にロシア帝国ウラル山脈東側トコワヤのエメラルド鉱山で発見された為、発見時はエメラルドと思われていたそうですが、変色効果を確認したことで他の宝石には見られない性質のために別の宝石と判断されました。そこで付いた名称アレキサンドライト【alexandrite】(アレクサンドライトとも表記される)の由来は、珍しい宝石として当時のロシア皇帝ニコライ1世に献上された日が4月29日で皇太子アレクサンドル2世の12歳の誕生日だったという事からこの名前になったとまことしやかに言い伝えられているそうです。
1975年に人工合成石の製造に成功していますが、合成の需要があまり生まれなかった事と製造コストが高くなる製法でしたので市場にはあまり出回らなかったいう事ですが、店頭では数石見たことがあります。
鉱物としては、宝石のキャッツアイという呼び名で有名なクリソベリル(金緑石)の変種となりますので、この変色効果が少しでも見られなければアレキサンドライトとは認められないというのが鑑定の見解基準となります。
という事は、クリソベリルと同じ鉱物ですのでキャッツアイ効果(シャトヤンシー)で光の効果による猫の目のような模様が出る言わば『アレキサンドライトキャッツアイ』も存在します。

産地別の特性傾向を簡単にまとめますと、[ブラジル産]はミナスジェライス州がやはり有名な産地(他の宝石も産出する正に『宝石の鉱山』という州)で、変色がはっきりするものが多く色合いも綺麗でインクルージョンも比較的少なく透明度が高いと全てが最上級品質とされています。唯一、その品質のせいか大きい石の産出が少ないです。[スリランカ産]はラトナプラ地区が有名な産地です。黄色を少し含むために緑も薄く赤というより橙に近い変色にとどまりますが大きい石が取れるというのが特徴です。[ロシア産]は発祥の地でもありますので人気はあります。ウラル山脈付近の産出は緑色から赤色への変色バランスが良くこちらも上質なのですが、インクルージョンが多いという傾向があります。だだ現在は産出量がかなり少ないので幻と表現されることもあります。[タンザニア産]は他の宝石も同様に地質的にも変わった条件なのかアレキサンドライトキャッツアイが産出します。加えて少量ですがかなり良質な物も採れます。鉱山はマニャラ湖の西岸が有名です。[マダガスカル産]は現地が現在かなり色々な場所で様々な宝石の産出が進んでいて、良質なものも産出しているそうですが、採掘され始めたのが最近で当社も情報不足の為にはっきりとした実質量などは伺えていない状況です。まだまだ今後もリサーチが必要な宝石ですので、しっかり勉強していきたいと思います。

【産出国】
主要産地国 ブラジル・スリランカ・ロシア・インド・タンザニア・マダガスカルなど

【鉱物組成】
BeAl2O4

硬度 :8.5
比重 :3.71-3.75
結晶系:斜方晶系

【アレキサンドライトのお手入れ】
http://www.vanmore.co.jp/teire/alexandrite.html#alexandrite

【宝石言葉】
http://www.vanmore.co.jp/teire/alexandrite.html#jewelrywords

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2017/02/14
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ガーネットは色によってとても細分化された名称がついている宝石で、個々に名前がメジャーです。ここでは先ず特によく聞く名称の紹介をカラースケールの範囲でより詳しく説明したいと思います。
【アルマンダイト(アルマンディン) ガーネット】レディッシュ オレンジ~レッド、スライトリー パープリッシュ レッド~レディッシュ パープル。

【アンドラダイト ガーネット】イエロー、グリーン、ブラウン、ブラック。
そしてこちらの中の変種として
【デマントイド ガーネット】透明のライト グリーン~ダーク グリーン~イエロー グリーン。
※[透明]以外は違いますので注意!

【グロシュラライト(グロッシュラー) ガーネット】ライト グリーン~ダーク グリーン、ライト イエロー~ダーク イエロー~レディッシュ オレンジ、無色。
そしてこちらの中の変種として
【ヘソナイト】イエロー オレンジ~レディッシュ オレンジ。エソナイトあるいはシナモン ストーンとも呼ばれる。

【サボライト(ツァボライト)】強いグリーン~イエロイッシュ グリーン。

【ハイドログロシュラー ガーネット】半透明~不透明。グリーン~ブルーイッシュ グリーン、ピンク、ホワイト、グレー。

【パイロープ ガーネット】ミディアム~ダーク レディッシュ オレンジ、レッド~スライトリー パープリッシュ レッド、無色(稀)。

【ロードライト ガーネット】ライト~ダーク パープリッシュ レッド~レディッシュ パープル。

【スペサタイト(スペサルティン) ガーネット】イエロイッシュ オレンジ~レディッシュ オレンジ。

【ガドリニウム ガリウム ガーネット(GGG)】通常無色~ライト ブラウンまたはイエロー。少量のオレンジとブルーも混じる。

【イットリウム アルミニウム ガーネット(YAG)】通常無色。グリーン、ブルー、ピンク、レッド、オレンジ、イエロー、パープルを示すこともある。

このように『色(カラー)』で大きく区別されているのですが、実は驚くことに数種類の鉱物組成が混ざっています。つまり「結晶構造は同じなのですが、鉱物上(化学組成)は同一ではない」という何とも不思議な宝石名称が「ガーネット」なのです。透明が主で有名な宝石の中では異例の存在とも感じます。

別名「ざくろ石」と呼ばれていることは知る人の知っている呼び名ですが、果実のざくろは[丸い実]でガーネットの原石は角々した面のある実のような状態です。そのつぶつぶした結晶が母岩に付いている様を色味も含めて似ていることからそう呼ばれています。パイロープ ガーネット辺りの色合いでコロコロとした角を研磨した粒状の宝石の数々を見ると正にざくろの実に見えて、この様子も名称の伝承に一役買っているようです。更に付け加えるとガーネット自体の語源もラテン語で「種子」を意味する「granatus」ですので古くからそのイメージなんですね。

ジュエリー職人としては「金剛砂」がガーネットでツヤ消し加工に使用していましたよね。さすがに現在のクリエーターはサンドブラスターをお持ちでしょうから粉末はガラスビーズやクォーツでエアコンプレッサーによって吹き付けていることでしょうが、昔はバケツに漏斗ですくって上から落としあてるという原始的なやり方でした。現在もこの硬度があることから紙やすり(サンドペーパー)などの研磨剤に利用されています。

歴史の中では産地で有名なチェコのボヘミア地方があり、青銅器時代から首飾りなどの装飾品に使われていて西洋ヨーロッパの各国に広がっていたようです。その後、産業革命時代に上流階級の人々しか所有出来なかった宝飾品を中流階級の社会まで浸透していった時、特に需要が高くなりヨーロッパ全土で[ボヘミアン ガーネット]が流行して産地が枯渇いていき品薄になり、そしてまた価格が上がるという事があったようです。現代に「アンティーク ジュエリーと言えばガーネット」という印象はこの時代の作品からと思われます。そして、本物のガーネットの代替品としてガラス製造も栄えたことから今も「ボヘミアンガラス」として認知されているとのことです。

宝石鑑定士として悩ませるものには「カラーチェンジガーネット」があります。この変色効果があの高額宝石アレキサンドライトに非常に似た様子を表す為、所見では答えにくいことが往々にしてあります。そしてお客様も「親からアレキサンドライトと言われた。」と引き継いでいて、当店で鑑定して「ガーネット」ですというと「偽物?」と言われてしまいます。確かにアレキサンドライトと言われて同等の金額で購入されていたら騙されたとなりますが、カラーチェンジガーネットは偽物という表現も出来ず店頭では困ることがある宝石です。スリランカ産のものが既に鉱山が閉鎖されていて、現在は産出されていない事でマダガスカル産の良質なカラーチェンジガーネットよりスリランカ産の方がコレクター価格での高額取引がなされる貴重な宝石であるのは確かなのですがね。

そしてまた個人的な嗜好の話ですが、コレクションとしても宝石の純粋で魅惑的な色としても「マンダリン ガーネット」と「デマントイド ガーネット」のことをちょっと付け加えて紹介したいと思います。
マンダリン ガーネットは個人的な主観もありますが、数々ある宝石の色の中で[オレンジ色]というのが一番希少な印象を持っています。ファイヤーオパールやオレンジサファイヤなどそれはそれとしてあるのですが、このマンダリンガーネットが躊躇なく綺麗なんです。ジュエリー作品を制作したくなる「デザインしたくなる宝石!」というのがこの宝石です。見る機会のある方には是非お勧めの一石です。
そしてデマントイド ガーネットは正にコレクターアイテムですね。ご存知の方には極みな話で一般的な記事となりますが、上記のカラー分類からしてアンドラダイト ガーネットの変種という扱いのため、そのカラーだけではサボライト(ツァボライト)との差異があまり無いので厄介な宝石でもあります。但し、鑑定機関の検知に出せばアンドラダイトとグロシュラライトのグループの違いから明確に区別出来ています。「ガーネットなのにこんなに高価なの!?」という希少石です。ダイアモンドのような輝きを持つことから1878年「デマントイド(demantoid)」と命名されたそうです。ロシアのウラル山脈ではじめて発見されクロム分を含むのが特徴、ダイアモンドよりも光の分散(拡散)が高いというのが素晴らしい光沢の秘密です。そしてそして!一番の内容は通称「ホーステイル(ホーステール)《馬の尾》」と呼ばれる繊維状結晶のインクルージョン(内包物)を持つという特徴ですよね。GIAの鑑定士を目指して勉強中、その文献資料や写真は何度も見たのですが、実際の仕入れ現場では数回見たことがあるのみで、しかも馬の尾のように綺麗に棚引いているような状態が見えるものは本当に少ないです。過去の偉人職人方々が制作した高級ジュエリーの展覧会の作品の中に埋もれて入っていることもあります。是非、そんな知見から数々のジュエリー展覧会を楽しまれても良いかと思います。
現在はナミビア産のデマントイドも流通していますが、こちらはクロム含有量が少ないため淡い黄緑色になります。


【産出国】
主要産地国 
【アルマンダイト(アルマンディン) ガーネット】インド・スリランカ・マダガスカル・ブラジル・(グリーンランド・ケニヤ・パキスタン・タンザニア・アメリカ)
【アンドラダイト ガーネット】イタリア・スイス
【デマントイド ガーネット】イタリア・韓国・ソ連(ロシア)・ザイール
【グロシュラライト(グロッシュラー) ガーネット】スリランカ・ケニヤ・タンザニア・(ブラジル・カナダ・インド・アメリカ)
【ヘソナイト】スリランカ・ケニヤ・タンザニア・(ブラジル・カナダ・インド・アメリカ)
【サボライト(ツァボライト)】スリランカ・ケニヤ・タンザニア・(ブラジル・カナダ・インド・アメリカ)
【ハイドログロシュラー ガーネット】[グリーンとピンク]=南アフリカ・カナダ・アメリカ、[ホワイト]=ビルマ・中国
【パイロープ ガーネット】オーストラリア・チェコスロバキア・南ア連邦・アメリカ
【ロードライト ガーネット】スリランカ・タンザニア・ジンバブエ・(マダガスカル・アメリカ)
【スペサタイト(スペサルティン) ガーネット】ブラジル・スリランカ・(オーストラリア・ビルマ・インド・イスラエル・マダガスカル・アメリカ)
【ガドリニウム ガリウム ガーネット(GGG)】※キュービックジルコニアが普及する前に一時出回った人造宝石
【イットリウム アルミニウム ガーネット(YAG)】※かつて高額だった人造宝石でキュービックジルコニア普及と共に需要が下がり価格も下がる。


【鉱物組成】
【アルマンダイト(アルマンディン) ガーネット】Fe3Al2(SiO4)3
【アンドラダイト ガーネット】Ca3Fe2(SiO4)3
【デマントイド ガーネット】Ca3Fe2(SiO4)3
【グロシュラライト(グロッシュラー) ガーネット】Ca3Al2(SiO4)3
【ヘソナイト】Ca3Al2(SiO4)3
【サボライト(ツァボライト)】Ca3Al2(SiO4)3
【ハイドログロシュラー ガーネット】Ca3Al2(SiO4)3-x(OH)4x
【パイロープ ガーネット】Mg3Al2(SiO4)3
【ロードライト ガーネット】((Mg,Fe)3Al2(SiO4)3)
【スペサタイト(スペサルティン) ガーネット】Mn3Al2(SiO4)3
【ガドリニウム ガリウム ガーネット(GGG)】Gd3Ga5O12
【イットリウム アルミニウム ガーネット(YAG)】Y3Al5O12


硬度 :
【アルマンダイト(アルマンディン) ガーネット】:7~7.5
【アンドラダイト ガーネット】:6.5~7
【デマントイド ガーネット】:6.5~7
【グロシュラライト(グロッシュラー) ガーネット】:7~7.5
【ヘソナイト】:7~7.5
【サボライト(ツァボライト)】:7~7.5
【ハイドログロシュラー ガーネット】:7
【パイロープ ガーネット】:7~7.5
【ロードライト ガーネット】:7~7.5
【スペサタイト(スペサルティン) ガーネット】:7~7.5
【ガドリニウム ガリウム ガーネット(GGG)】:6.5
【イットリウム アルミニウム ガーネット(YAG)】:8.25

比重 :
【アルマンダイト(アルマンディン) ガーネット】:3.93-4.30
【アンドラダイト ガーネット】:3.81-3.87
【デマントイド ガーネット】:3.81-3.87
【グロシュラライト(グロッシュラー) ガーネット】:3.57-3.73
【ヘソナイト】:3.57-3.73
【サボライト(ツァボライト)】:3.57-3.73
【ハイドログロシュラー ガーネット】:3.15-3.55
【パイロープ ガーネット】:3.62-3.87
【ロードライト ガーネット】:3.74-3.94
【スペサタイト(スペサルティン) ガーネット】:4.12-4.20
【ガドリニウム ガリウム ガーネット(GGG)】:6.95-7.09
【イットリウム アルミニウム ガーネット(YAG)】:4.50-4.60


結晶系:等軸晶系

【ガーネットのお手入れ】
http://www.vanmore.co.jp/teire/birthdaystone.html#garnet

【宝石言葉】
http://www.vanmore.co.jp/teire/birthdaystone.html#jewelrywords
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2017/01/17
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別名「瑠璃(るり)」・「ウルトラマリン」と呼ばれて、「青金石(せいきんせき)」と呼ぶ場合はラピスラズリの主成分である鉱物の部分を「ラズライト」とも呼ぶのですが、こちらは別の鉱物で「天藍石(てんらんせき)」の別名がラズライト(lazulite)となり、どちらの表記も紛らわしいとされています。
「ウルトラマリン」と呼ぶ場合に馴染み深いのは、美術大学受験の為に絵を描いていた時は「絵具:ウルトラマリン」の原料がラピス・ラズリの主成分ラズライトであることを知り、卒業して宝飾業界に入った時により感慨深く思った記憶があります。

そして「瑠璃(るり)」と表現しますと、当時工芸を専攻していたので伝統工芸に興味を持ち、数々の技法(象嵌や木目金、緑青の液に金属を安定して浸しつける煮色など)を試したりしていた頃、あまりにもその単純なはずの事が上手くいかず、そこで国宝とされ正倉院の宝物(現在約9000点とされています)の資料を眺めながら作品の素晴らしさに魅了されていた経験から、目にしてきた瑠璃を思い浮かべます。特に有名なのがガラスで2012年に正倉院の蔵出しとも言われる「正倉院展」に『瑠璃杯(るりのつき)』が18年ぶりに出品として話題になりました。少し話がそれましたがその宝物の中にはラピスラズリ(紺玉)を飾りつけた豪華な装身具「紺玉帯(こんぎょくおび)」があります。

そんな「正倉院展」について少し触れますと、1963年(昭和38)以降に空気調和装置を施した新しい宝庫に収納されることになり近代化したのですが、それ以前は作品の損傷を防ぐ為の「曝涼(ばくりょう) ※現在はこの名称も変わり「秋期定例開封」と改められたそうです。」と言われる虫干しのような作業というか行事があり、風通しをして虫干しをすることで多湿な日本の気候から守ってきた経緯から近代化した現在もその時期の10月下旬~11月上旬にかけて、奈良国立博物館で特別展「正倉院展」の開催が恒例となり古都の秋の年中行事の一つになっています。また話がそれましたが行ける方には是非お勧めです。

ここで工芸に話がそれたのですから絵画に話を移すとしたらやはり忘れてはいけないのが『フェルメール』ですよね。その呼称「フェルメール・ブルー」とされ天然ウルトラマリンを使用していた画家で最も有名です。「真珠の耳飾りの女」の少女がしていた青いターバンや、「牛乳を注ぐ女」の青いスカートは正にその「ラピスラズリ・カラー」です。
日本画では今でも現役の顔料で、その群青の色で描かれた絵画はその顔料だけでも高価と伺ったことがあります。その中で有名なところで言うと日本画家「平山 郁夫(ひらやま いくお)氏」でしょうか。
西洋美術ではイタリア盛期ルネサンス美術として、「純金と同等かそれ以上の価値」とされていた当時のラピスラズリの粉末(ウルトラマリン)顔料が惜しげもなく使われたのは、もちろん巨額の富で栄華を支えたメディチ家の存在があります。

とここまで宝石というより芸術の話が多くなってしまいましたが、それぐらい幅広いアートに多用多彩に彩られる鉱物という事が言えると思います。

宝石としての話を集めますと、歴史はとても古く数千年前から装飾品に使われていて、ツタンカーメンの棺やその後の文明でモザイク画や装飾品にも多く使用されている記録などがあります。サファイアが青色と関連付けられてその名が付いた理由は、おそらくラピスラズリに関連するギリシャ語の「sappheiros」に由来していると考えられています。それだけ古来から宝石として位置付けされているので、その昔シルクロードを通って日本へも運ばれているそうです。そして真言宗の開祖、空海はその瑠璃を守護石としていたそうです。

自然界の中でも独特で神秘的な色合いを醸し出すラピスラズリは世界中で各国の人々を魅了しているようですね。
そんな魅惑も実証されているともいえる宝石なのに、1958年まで12月の誕生石として長く存在していたにもかかわらず一時期取り消された経緯があるとのことです。何故でしょうね。


産地は特にアフガニスタン北部バダクシャン地方の山岳地帯がラピスラズリの唯一の産地として有名。

【産出国】
主要産地国 アフガニスタン・チリ・ソ連など

【鉱物組成】
含有鉱物によって異なる
〔※ラズライトは(Na,Ca)8(AlSiO4)6(SO4,S,Cl)2〕

硬度 :5~6 不純物によって異なる
比重 :2.50-3.00 鉱物の内容によって変動する
結晶系:判断なし
〔※ラズライトは等軸晶系〕

【ラピス・ラズリのお手入れ】
http://www.vanmore.co.jp/teire/birthdaystone12_rapis.html#rapis

【宝石言葉】
http://www.vanmore.co.jp/teire/birthdaystone12_rapis.html#jewelrywords

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2016/12/05
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12月の誕生石タンザナイトに比べてトルコ石(ターコイズ)の歴史は逆にかなり古いもので、紀元前3000年頃より以前からエジプト人によってシナイ半島で採掘されていたと記録があるほどだそうです。

日本ではインディアン ジュエリー(Indian Jewelry)【Indian(インディアン)はNative American(ネイティブ・アメリカン)を呼称】に使われている宝石として認知度が高いと思います。こちらの歴史もやや古く、16世紀にスペインの侵略支配から18世紀にメキシコへ支配権移ったりする長い支配下の中、そのスペイン人やメキシコ人から技術を習得して現代の素晴らしい表現となったようです。インディアン ジュエリーに関してはとても詳しい記事が他社・作家方々によって幅広く執筆されていますので、ここでは軽く列挙いたしますと、名称としてインディアン ジュエリーと呼ばれているのは下記の五種族により作製されたものの伝統を引き継いでいるそれぞれの特徴を持った技法で製作された作品を指しているという状況です。

・ナバホ(Navajo)族

アメリカ南西部(アリゾナ州とニューメキシコ州にまたがる砂漠地帯)に居留する最大の部族です。
【スタンプワーク《タガネ(鉄の棒の先に模様を削って施した道具)で銀板に模様を打ち込む方法。》】・【コンチョ《ボタンやベルト等に使う円形や楕円形の作品。》】・【ナジャ《 スカッシュの花をイメージしてデザインされた主に女性が身に付ける子孫繁栄を祈るお守りとしての装飾品。》】・【フェザー《特にイーグル[鷲(ワシ)]の羽とされていて、他の部族でもよくデザインされる代表的なモチーフ。》】が主な特徴とされています。

・ホピ(Hopi)族

アリゾナ州北東部に住み比較的小さな部族とされていますが、アメリカ最古と言われていて誇り高き部族の一つです。
【オーバーレイ《銀板を糸鋸で巧みに透かし抜きした物ともう一枚の銀板を貼り合わせる方法。》】・【サンフェイス《文字通り[サン(太陽)]を象徴としてデザインされた装飾品。》】・【ベアパウ《熊の手といった[熊=『強さ・力・権力』]を象徴としてデザインされるモチーフ。》】・【スパイダー《蜘蛛が巣を作り上げていくという地道な姿から『努力を続ければ達成できる』という成就の意味があるモチーフ。》】・【《現代から見ても可愛らしい象形文字のようなデザインというと解りやすいと思われるジュエリー。》】が主な特徴とされています。

・ズニ(Zuni)族

現在はアメリカ合衆国のニューメキシコ州及びアリゾナ州の一部に居留する部族です。
【インレイワーク《板状にしたトルコ石/オニキス/珊瑚/貝など色々な素材をモザイクの様に嵌め込み接着材で留める方法。》】・【チップインレイ《インレイワークとは違って素材を適度にカットしたり細かく砕いた物を透明の樹脂と混ぜて図柄をつくる方法。》】・【ニードルポイント《半円状カボッションにカットしたトルコ石や珊瑚を枠に合わせて削って留めて円形の花を表現すること。》】・【クラスター《半円状カボッションにカットしたトルコ石や珊瑚に枠を合わせて削って留めて円形の花を表現すること。》】が主な特徴とされています。

・サント・ドミンゴ(Santo Domingo)族

「プエブロ」と呼称されるメキシコ北部とアメリカ合衆国南西部、特にニューメキシコ州やアリゾナ州に残るインディアンの伝統的な共同体の集落(またそこに住むインディアンを集合的に呼んだ言葉でもあります。)に含まれる部族です。
【《トルコ石/オニキス/珊瑚/貝など色々な素材を綺麗なほぼ同じ円盤型やバロック(均整と調和のとれているゆがんだ変形型)に一個一個削り、そして穴を開けて紐を通したビーズネックレスやブレスなどの装飾品。》】が主な特徴とされています。

・イスレタ(Isleta)族

こちらも「プエブロ」に含まれる部族です。
【《「イスレタ」とはスペイン語で「小さな島」という意味を持つように、『羽根』のモチーフを繊細に表現したバングルやその他ジュエリーが印象的な装飾品。》】が主な特徴とされています。

上記の分類を主な特徴としていますが、現代に至って日本国内の流通では特にしっかりした区分けが存在するという訳ではないと思います。言葉や音楽と同じく近代化してグローバルになることで、ミックスされた新しい表現が生まれて、それにまた『インディアン ジュエリー』というジャンルが広がるといった自然の摂理と思い、伝統を守った作品も新しい作品も大切に見守っていきたいと思います。

そしてトルコ石(ターコイズ)は多くの主要国で産出することからそれぞれの国の文化にも軽く触れておくと、

ヨーロッパでは17世紀の医学者アンセルムス・デ・ブートが父から頂いたトルコ石を身に着けていて落馬事故から命を救われたと書き残している事から、現在日本でも言い伝わる『身を守る護符』として車のキーフォルダーにもよく使われています。自分も誤解していたのですが、この意味の発祥はそれこそインディアン ジュエリーからだと思っていましたが西洋とされるとても古い歴史からでした。

中国でも3000年以上に渡りわずかながらトルコ石の産地です。

チベットでは緑色のトルコ石が珍重されると言われるように、現在日本でもコレクターの中では緑色を好む方もお見えになります。

イランが2000年以上前からトルコ石のもっとも主要な産地で、その理由も高品位の素材が最も一貫して採取されていたためとされています。宝飾品として使用しているものは一般的にやや薄いスカイブルーで均一な色合いに白い斑点が付いている「ナチュラル」と称されるものだと思いますが、これはかなり高価に取引されているものもあります。そしてそこに宝石の好きな方以外は耳慣れない単語「練りトルコ石」なるものも存在します。

ここで内容の展開となりまして『はたして「練りトルコ石」は偽物!?』という話をしたいと思いますが、このトルコ石(ターコイズ)の『本物or偽物』の判断がとても難しい宝石なんです。それは見た目の区別も玄人でもかなり困難なことと、ダイヤモンド程ではないですが本物と偽物の価格差があるので世界の宝石業界特有の「騙し」の対象になる宝石の一つである為に模造石の多様な技術が存在しています。
天然のトルコ石(ターコイズ)は多孔質で表面に無数の穴が炭のように空いていまして、研磨だけの状態では艶があまり無くどちらかというとツヤ消ししてあるような印象です。そしてこれが普段素手で扱っていて皮脂などの汚れが付くと超音波洗浄機でもお湯でもシンナーでも取れない、ホントに取れないので「汚れている方がナチュラル(天然)?」と思ったこともあります。それではいけませんので表面に電気的加工(コーティング)を施したり、ワックスがけを施したり、表面のみ樹脂でコーティングしている事が多くあります。ここまでは宝石学特有の「化粧を施した程度」との見解で『本物』となります。
そこに低品質なものを樹脂などでコーティングしますと、まるで高級な天然のトルコ石(ターコイズ)に見えるのですがこちらも「素材がトルコ石(ターコイズ)に化粧を施した程度」となり宝石学見解で『本物』となります。
先ずここで「ん?」と思われますよね、ですので価格によりますが数十万~数百万にもなる商品を購入の際は信用のおける宝飾店をお勧めします。(俗に言う「高級な天然のトルコ石(ターコイズ)には白い斑点がある」という所見だけでの購入もあまりお勧め出来ませんのでご注意下さい。)
次に、本物のトルコ石(ターコイズ)の粉末を混ぜ固めたものとして「練りトルコ石(ターコイズ)」なるものが現れます。どうでしょう、これは本物or偽物?。答えは・・・と言いたいところですがナント「グレーゾーン」です。宝石店として扱っている私達も「金額ベースとアート表現の素材」という感覚で捉えていて、この素材も上記の低品質なものを樹脂などでコーティングしたものとほぼ同じ安価で流通していますので本物か偽物かと位置付ける事もないほどなのが現状です。そしてこの練りトルコ石で出来たカメオなどは装飾品として見栄えがしますのでやや高価な作品に使用したりもしますから、お店で安い商品という訳でもないというのが事実です。ですが「高級な天然のトルコ石(ターコイズ)」と謳って法外な値段で売られたらそれは断じて偽物!ですので気をつけたいところです。
では本当の「偽物」は?と言いますと、先程の練りトルコ石(ターコイズ)と見られる中に『トルコ石(ターコイズ)の粉末ではなくハウライトやマグネサイトなどの違う石を使って染色などの二次加工もしているもの』が存在します。これはさすがに名称が「トルコ石(ターコイズ)」として販売されていたら偽物です。これもまた一見解りませんし簡単な判別方法もありませんから何より信用のおける宝飾店をお勧めします。
ちなみに、プラスチックなどの合成素材でも精巧に出来た模造品も存在します。

最後に自分もそうでしたが、「トルコ石」と呼んでいるだけに実際トルコ共和国で取れていると思われてしまいますが勘違いで、トルコ経由でヨーロッパに運ばれた事に起因してそう呼ばれているのだそうです。ですので主要産地国にトルコ共和国は含まれていません。

【産出国】
主要産地国 アメリカ・オーストラリア・チリ・中国・イラン(歴史的に有名)・メキシコなど

【鉱物組成】
CuAl6(PO4)4(OH)8・5H2O

硬度 :5~6
比重 :2.40-2.90
結晶系:三斜晶系

【トルコ石のお手入れ】
http://www.vanmore.co.jp/teire/birthdaystone12_turquoise.html#turquoise

【宝石言葉】
http://www.vanmore.co.jp/teire/birthdaystone12_turquoise.html#jewelrywords
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2016/12/05
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宝飾品として今まで扱ってきたものは内包物をほぼ全く含まない、そして青紫のそれはとても魅惑的で純粋に透明感を醸し出す素晴らしい宝石で、つい職人としては硬度も硬いものと錯覚し超音波洗浄器で割れてしまう。なんとも悩ましい宝石でもあります。原石を見ると解るのですが通常はエメラルドぐらい内包物の多い鉱物なのでルーペ・クリーン(10倍のルーペで見た時に内部が無欠陥・無欠点)の綺麗で色の良い上質なものが日本にこれだけ多い理由を経緯として感じる出来事が二つあります。
一つ目は、1967年に東アフリカのタンザニア[アルーシャ地区メレラニ鉱山]でルビーを探していたマニュエル・ト・スーザーが初めて発見したとされていて現在の有名な宝石の中でも比較的新しく、そして同じ時期に高度経済成長期(
1954年12月から1973年)を迎えていた日本への輸入量が多かったこと。
二つ目は、日本でも有名なあのニューヨークの宝石商であるティファニー社がこの素晴らしい宝石の魅力を逃さずブランディング、売れると確信し大々的な販売促進キャンペーンを展開してこの宝石名称『タンザナイト』は一気に世界中へ認知されて爆発的人気を得たこと。
という条件が重なったのだと思われます。
名称も宝石学では「ブルーゾイサイト」となりますが、「スイサイド(自殺)」を連想させてしまう為にティファニー社がこの石に新たな名前をつけようと産地であるタンザニアへ想いを馳せて、北東部にある山のキリマンジャロを背景に見える夕暮れから夜への空の色と連想付けて「タンザナイト」という素敵な名前をつけたと言われています。
このようにジュエリーは特にブランディングという発想も重要視されている業界で、企画力はデザインをするように多彩な感度が必要ですし、身に着けたくなるようなプロモーションも職人のように『如何に宝石を綺麗に魅せるか』という努力を日々していく事が大きな鍵になっているのだと実感できる歴史の一幕になった宝石とも言えます。

そんなタンザナイトの魅惑的な輝きには「多色性」という特徴がキーワードでもあります。この多色性という特徴によって見る角度で青色~紫色が強くなる宝石となり、それと共に青味・紫味・赤味といった色合いを表すこともあります。ただこれはアレキサンドライトやガーネットなどに見られる[変色性]ほどはっきりではないので分類分けされています。
自然光の下では日本画に見られるような美しい群青色、夜のネオンや白熱灯の下では誉れ高き紫色、蛍光灯の下では爽快なほど地中海を感じるような青色へと変貌を遂げる正真正銘の身に着けたくなる宝石です。
当初はブルーサファイアに近似している多色性が少ない青味が強いものが高い評価だったこともあったそうですが、現在ではこのブランディングによって多色性の強いものが高い評価を得ているとのことです。

希少性もダイヤモンドより鉱山が限定されている事から1000倍希少だとも言われるのですが、現在そのタンザニア付近以外で採掘されたブルーゾイサイトにもタンザナイトと呼称していることがあるのでどこまで希少かは実のところ解らないのが現状で、これが適切かどうかはまた世界の宝石事情そのままに是か非か問えない状況でもあります。

少し個人的な興味で「ゾイサイト」という鉱物はとても多様な表情を持っていて、バナジウムを含んで青色に変色した灰簾石(かいれんせき)の変種が「ブルーゾイサイト(タンザナイト)」と呼ばれているのですが、同じゾイサイトの仲間で「ルビーインゾイサイト」というルビーを含んだ緑のゾイサイトがありまして、それが全く別物のような見た目で、ゾイサイトは【灰簾石(かいれんせき)】として緑簾石グループであるのと混ざり合ったようにルビー(コランダム)の【鋼玉(こうぎょく)】の原石の色合いがあるという、不透明でありながらそのシンクロしたような表情もまた宝石として魅了してくれる鉱物です。

自然にしか成し得ない神秘的な宝石達に導かれるようにジュエラーをさせて頂けているような、そんな気持ちになります。

【産出国】
主要産地国 タンザニア・オーストラリア・ドイツ・イタリア・メキシコ・スコットランド・スイス・アメリカなど

【鉱物組成】
Ca2Al3(SiO4)3(OH)

硬度 :6~7
比重 :3.10-3.45
結晶系:斜方晶系

【タンザナイトのお手入れ】
http://www.vanmore.co.jp/teire/birthdaystone12_tanzanite.html#tanzanite

【宝石言葉】
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2016/12/05
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当初11月の誕生石の代表「インペリアルトパーズ」は一般的には[シェリー カラー]と言われる「やや赤みを帯びた黄色の色調」=レディッシュ オレンジの色彩とGIAでは表現しています。バイヤーを長年経験していてこの宝石も早くから上質な物が枯渇して、かなり薄いレディッシュ オレンジまでインペリアルトパーズの範囲として表記されていたことを記憶しています。ですので早くからお客様のご要望に添った仕入れが出来ずあまり取引しなかった宝石です。昔、見たものは本当に綺麗で貴賓がありましたよ。
そんなインペリアルトパーズですから誤称も絶えず出てきていろいろな類似名として「イエロー サファイア」と表現されたりしたこともあったそうで、それを「オリエンタル トパーズ」と表現したりと何だか解らない表現となりあまりこの誤称を使っている業者さんは日本ではいないと思います。
詳しいお話としてはネーミングの順番が原因でもありまして、1883年頃に紫水晶のアメシストに熱を一定的に加えると綺麗に黄色へ変化する事が解り、それを「ゴールデントパーズ」とこれまた誤称で大量販売された時期が世界であったようです。その影響でまた混乱しないように当時ブラジルを統治していた皇帝ペドロ2世にちなんで[インペリアル(皇帝)]の語を頭に付けた経緯からインペリアルトパーズとなったのだそうです。
その経緯とは時期が違いますが、シトリンを好ましくない名称で「トパーズ クォーツ」や「シトリン・トパーズ」と呼ぶような事態にまで発展したことがあるので、今より倫理が無く異常だった時代もあったと思います。
ということで「シトリン」も11月の誕生石としていますので触れますと和名は「黄水晶(きすいしょう)」でアメシストと同じ水晶です。天然の黄水晶の産出は少ないため市場に出回っている黄水晶のほとんどは紫水晶を熱処理して黄色にしたものです。そこで「おや?」と思った方も多いはず、2月の誕生石アメシストを熱処理して11月の誕生石シトリンにしているというのが市場の状況です。なんだか世界中宝石を取り巻く環境はいろいろなトリックに満ちている気がします。
ただシトリンは全て安価という訳ではなく「マディラシトリン」と言われる[深いオレンジの色相を彩るシトリン]は特に希少産出です。ここでインペリアルトパーズとマディラシトリンどちらが欲しいと聞かれますと、職人として宝飾品を制作するなら輝きでインペリアルトパーズを、デザイナーとしてマニアックな作品を制作するならマディラシトリンを探してみたいところですね。

ではやはり11月の誕生石はトパーズで決まりでしょうと言いたいところですが、一応トパーズも詳しくお話いたしますと「ブルートパーズ」は極めて透き通ったブルーが綺麗で透明感が印象的な宝石ですが、 現在ノーヒート(非加熱)の完全に天然ブルートパーズはほぼ90%近く流通していないです。理由はノーヒート(非加熱)の場合は淡く薄い水色でグレー味がかったものしかないため人気が無くほとんど価値がありませんでした。それが熱処理という化粧を施すことでかなりの輝きになり人気が出た宝石だからです。ただ鉱物的な趣味をお持ちのお客様の中には少数%のノーヒート(非加熱)のその淡く薄い水色でグレー味がかった物も収集されている方はおみえになります。

そして「ピンクトパーズ」はといいますと、逆に希少石であるブラジル産のインペリアルトパーズを加熱処理することで鮮明なピンクの輝きが現れる宝石ですので、ますます綺麗なピンクトパーズの流通は本当に少なくて入手困難な状況です。


では11月の誕生石として「インペリアルトパーズ」と「ブルーをメインにしたその他の色のトパーズ」と「シトリン」、消費者にとっては『果たしてどれが良いの?』とかいろいろな憶測をよんだ時期がありました。
それは11月と12月の誕生石には宝石商事情を特に表していて『複数の誕生石がある中で、どちらも時代に合わせてメジャーなものが移り変わった。』という時代背景が影響したのが印象にあります。
1990年代宝飾品が栄えて売れていた時代は「高価なこと」が強い条件でしたので11月は「インペリアル トパーズ」、12月は価値が上がっていったナチュラルな「トルコ石」と作品としてジュエリーに使用され豪華な「ラピス・ラズリ」、そこに台頭してきた「タンザナイト」といった条件で作られた宝飾品があふれていて、それに「誕生石ですよ」と付け加えていたという感じでした。
そして2000年に入りバブル崩壊の時期を経てリーズナブルなジュエリーラインとして数珠のような簡素なタイプで誕生石の謳いこみが進み、11月は「シトリン」で12月は安価な「トルコ石」と「ラピス・ラズリ」と今もそう売られているように思います。
そこにブライダルジュエリーで指輪の内側に誕生石を入れてあげたいという「気持ちを込めるジュエリー」の中に使用され始めて、マリッジリングからペアリング、その他ネックレスなど様々なギフトジュエリーにも広がったことで、現在はどちらかというと安定して入手しやすく透明石の11月は「ブルートパーズ」、12月は「タンザナイト」が主力になっている状況です。
業界目線ですので「想い」はいろいろと感じていますし、ジュエリーデザイナー兼職人の側から見ても『誕生石伝説』の記事の際に「誕生石のジュエリーを身に着けること、またそのジュエリーを大切な人へ贈ること...、そんなきっかけになっているのではないかと考えると美しいことに思います。」というのが本音ですので、お守りとしてはその時々に合った方を選ばれて正解ではないかと思います。
次月はそんな12月の誕生石についても詳しく説明したいと思います。


トパーズ
【産出国】
主要産地国 ブラジル・ナイジェリア・オーストラリア・ビルマ・メキシコ・ナミビア・パキスタン・スリランカ・アメリカ・ソ連など




【鉱物組成】
Al2(F OH)2SiO4


硬度 :8
比重 :3.49-3.57
結晶系:斜方晶系


【トパーズのお手入れ】
http://www.vanmore.co.jp/teire/birthdaystone11_topaz.html#topaz

【宝石言葉】
http://www.vanmore.co.jp/teire/birthdaystone11_topaz.html#jewelrywords

シトリン
【産出国】
主要産地国 ブラジル・ボリビア・スペインなど

【鉱物組成】
SiO2

硬度 :7
比重 :2.64-2.69
結晶系:六方(三方)晶系


【シトリンのお手入れ】
http://www.vanmore.co.jp/teire/citrin.html#citrin

【宝石言葉】
http://www.vanmore.co.jp/teire/citrin.html#jewelrywords

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2016/11/26
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10月の誕生石であるトルマリンとオパールは奇しくも共に日本でバブル期に宝飾業界のプロモーションなどにより一大ブームのあった宝石で、当時は本当に様々な作品を制作しました。
特にトルマリンが多く知れ渡った理由として「健康ジュエリー」としての評価がありました。当社ヴァンモアはゲルマニュウム ジュエリーなどの「健康」を謳い文句にした商品は扱わなかったので、トルマリンも健康に良いとはしていなかったのですが、他店で見聞きしたお客様からそう伝わり当社でも購入されていかれたお客様も多かったと思います。
理由としましては「電気石」と言われることが発端ですが、それはあくまでも結晶を熱すると電気を帯びるためとされていて、通常時という事やマイナスイオンを発生しリラックスするとか、遠赤外線を放出するとか、携帯電話などからの有害な電磁波を吸い取るなどとか、実際は科学的に何の根拠もまだないという事はしっかりお伝えしたいと思います。
しかしながらファッションとして身に着けながら健康に良いとは、凄いプロモーション効果だったと感じます。
そして彩度としての色合いもどことなく「和」を思わせる上品なところが日本の女性に似合ったように感じますし、更にマルチカラーで様々な色のトルマリンが天然で存在しますのでより多くの嗜好に合わせやすい宝石ともいえると思います。
また少し詳細な内容を書きますと、「バイカラー」と呼ばれている『二色がはっきりと分かれて双晶したもの』が存在します。これは正に自然の神秘!、もう少し現在も評価が良くていいのではと感じてしまいます。
GIA(米国宝石学会)としましては、二色がはっきりと分かれているものをバイカラー、複数の色となりますとパーティー・カラーと呼び名が変わりますので資格を取得する際の試験では大いに泣かされた思い出深い宝石です。もう一つ、「ウォーターメロン」と呼ばれる特徴的なトルマリンもありますが、『中央がピンクで周囲がグリーン』と定義付けされていまして、その色が逆転しているとただのパーティー・カラー
とされます。宝石名称は世界中で使われていますから統一見解は本当に難しいですね。
その他に有名になったトルマリン名称としましては一つ目に「ルベライト」があります。ルベライトは、ルビーと同様の美しさがあり色範囲もピンク~レッドとしていますのでルビーライトのような言い回しから派生した名前のように感じますが、実際はラテン語の「ルベルス(ルベリウス)rubellus」「赤い 」という意味が由来だそうで、同じ赤いルビーも同じ語源 から名付けられているから勘違いの原因のようです。それにしても昔はルビーと間違われるほど綺麗な宝石と言われていました。
そしてもう一つ有名になった「パライバトルマリン」を説明しなければいけません。その宝石名にあるようにブラジルのパライバ州から採掘された鮮やかな青緑のトルマリンを指していて鉱物組成に銅成分の影響を受けるとこの色になります(現在はパライバ州近郊で採掘されたものでもこの状態の物はパライバトルマリンと言われ流通しています)。当時宝石店の流行の状況としては、タンザナイトのブームがひと段落して新たな宝石のブランディングを待ち焦がれていた市場に突如として現れた救世主とでも言いましょうか、そんな突然の登場を感じるような目覚ましい宝石でした。その理由を今見返してみると、1989年以降には既に良質の結晶からカットされたパライバトルマリンが世界の宝石市場に供給され始めていました。しかし発見後の約10年間、鉱脈の所有権を巡って争いが続き採掘活動がほぼ行なわれず、その結果希少性を増す噂まで流れ価格の急騰を起こしたとされています。予期せぬブランディングだったのかもしれませんね。
当時ヴァンモアはその価格状況をみてあまりにも法外と感じ、ピークの時期の仕入れをストップした経験があります。今もその決断は正しく、当時のお客様にも適正価格のものしか提供していないので負い目もありませんし、現在に至るまでブームに残された高原価の在庫を持つことなく健全経営が出来ています。宝石という材料の輸入や仕入れにはとてもシビアなタイミングがあり、職人でもデザイナーでもそのことを知っていることはとても重要な業界だと実感した宝石の一つです。

またトルマリンは【珪酸塩鉱物】の一つとしてかなり複雑な鉱物組成をもっているため主要成分で表すと「(Na,Ca)(Mg,Fe)3Al6(BO3)3(Si6O18)(OH)4」 と書かれますが、他に様々な成分とも結合しますので上記で表現したように様々な色のトルマリンが天然で存在する結果となっています。虹色の七色から褐色/濃緑色や黒色など、ほぼ全ての色相があると言っても良いです。

【産出国】
主要産地国 ブラジル・アフリカ各地(モザンビーク、ナイジェリアなど)・スリランカ・アメリカなど

【鉱物組成】
(Na,Ca)(Mg,Fe)3Al6(BO3)3(Si6O18)(OH)4 他

硬度 :7-7.5
比重 :3.04-3.07
結晶系:六方晶系

【トルマリンのお手入れ】
http://www.vanmore.co.jp/teire/birthdaystone10_tourmaline.html#tourmaline

【宝石言葉】
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2016/10/18
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数十年前、時期は違いますが10月の誕生石であるトルマリンと同じくオパールも日本でバブル期に宝飾業界のプロモーションなどにより一大ブームのあった宝石です。
形を楕円形(オーバル)に整えたブラックオパールなどは当時とても高額で売買されていたため、貴石同様の宝飾デザインをしていました。
オパールが石の亀裂や隙間に形成される性質があるために厚みのあるものを採掘するのが稀で母岩を付けたまま研磨したボルダーオパールやマトリックスオパールは形が不揃いなことが多く、かえってジュエリーメーカーの量産に不向きなために当社のような逸品制作の職人作品や作家作品として多くのジュエリー表現に用いられた個性の詰まった宝石ともいえると思います。
一般的に遊色効果(英名:プレイ・オブ・カラー)【虹のような多色の色彩を示す現象】を特徴としますが、メキシコオパールの中でも有名なファイアオパールは正に燃えるようなオレンジ~赤の透明石で遊色効果を持たないことのある特徴があるものもあります。他にブルーやピンクのオパールにも遊色効果を特徴としないものがある場合もあります。
業界でもあまり知られていない話としては、そんな「遊色効果を特徴としないオパール」は総じて『コモン オパール』という名称ですので、「ブルー オパール」や「ピンク オパール」とするのは通称となります。(更に紛らわしいですがファイアオパールだけは別の扱いをしていましてプレシャス・オパールに含まれています。)
そんな遊色のマルチな色彩と同様に、コモン オパールやコントラ・ラズ オパールなど一般的でないものも含めると多彩な名前が存在する宝石でもあります。
日本で所有されている多くのタイプはミルキーオパールと思われます。ヴァンモアにもリフォームしたいと代々受け継いだジュエリーをお持ちになる中によく見られます。
そして対極に希少ですが所有者のあるブラックオパールは高価ですがお持ちになる方も少なからずお見えになる状況です。そのブラックオパールの定義について宝石の専門的視点から少し触れておきますと、「地色に黒~グレーの遊色効果を持つオパール」という表現が一般的です。地色とは遊色の色や色調ではなく、そのオパール全体の背景となる色合いの事を言います。さらに狭く定義付けをしている業者の中には『ライトニングリッジで採掘された濃い地色を持つオパール』とだけ表記しているところもあります。
こちらもパパラチア・サファイヤの時などと同じ宝石業界のよくある話で、ガイドラインが曖昧な宝石でもあります。採掘状況としましては不確かな点もありますが、かなり減っているか採掘費用が掛かりそれに見合った売価とのバランスが崩れている状況と思われ、あまり一般の仕入れ業界でも少ない状況です。
価値基準は[1. 地色,2. 明るさ・光沢,3. 遊色 ,4. 遊色効果のパターン,5. シェイプ・形の良さ,6. カボション形状・バランス,7. 重さ・サイズ,8. 欠点・マイナス点 ]と複雑でしかも一般のオパールにはよくある割れや表面の傷、さらには砂状の表面やポッチと呼ばれる内包物の有無、そして色が抜けているような部分(ウインドウ)まで査定基準になるので容易ではない宝石です。
よく言われる「赤い遊色が強く出ているものほど高価」の理由はブラックオパールやボルダーオパールの場合で、単純に赤系が最も採れにくくて紫系が多く採れるということにあります。また遊色が全体にバランスが良いものの方が高価とされています。
実は日本にもオパールの採掘できるところがあったのですが、宝石品質のオパール産地としてあまりにも有名な福島県西会津町の宝坂屋敷鉱山は、2006年秋頃に採掘が休止して二年後の2008年の秋に閉山しています。
また、張り合わせで作られたような簡単なイミテーション(合成)石も多く存在しています。しっかりした合成オパールとしてはギルソン社製やイナモリ社(京セラ[名称:クレサンベール])製があります。

10月の誕生石は「オパール」と「トルマリン」と「ローズクォーツ」と言われています。

【産出国】
主要産地国 オーストラリア/クーバーペディやライトニング・リッジ 等・メキシコなど

【鉱物組成】
Si02・nH2O

硬度 :5.5-6.5
比重 :1.99-2.25
結晶系:非晶質【珪酸微球粒子の立方配列】


【オパールのお手入れ】
http://www.vanmore.co.jp/teire/opal.html#opal

【宝石言葉】
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2016/10/18
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7月の誕生石ルビーの記事でもお伝えしたように『ルビーとサファイヤは同じコランダム (corundum)で赤色の範囲に含まれる物はルビー、その他のカラーをサファイヤと宝石名称で呼んでいます。』ということで赤以外の様々な色、特に[黒色・無色]も含まれています。マルチカラーもとても煌きに趣きがあり魅惑的なのですが、個人的にはブラックとクリアーのサファイヤがその色のダイヤモンドと違って何かこうコレクション心とファッション感覚を刺激して、ふとデザインしてみたくなる宝石です。職人としても硬度が硬いのはとても嬉しく、様々なデザインの留め方が可能なのでデザイナーとしても気兼ねなくイメージできるのが魅力の一つです。
その中でも特にサファイヤと言えばブルー(青色)ですね。その色はチタンを含んで青色を呈したものとなりますが、その中でも『コーンフラワー(ヤグルマソウ)』のような深い青で透明感のあるものが最高級品です。
この青色を発色するメカニズムで一応の産地が特定されているというのが宝石鑑別の知識の中にあります。簡略に説明すると「コランダム【Al2O3】としては不純物としてかなり少量含まれる鉄【Fe】と、同じく不純物でその10分の1程含まれるチタン【Ti】とのイオン間の電荷移動による発色」ということが1976年に解明されたと宝石学の文献があります。この光のエネルギーによるイオン間の電荷移動のお話は内容が難しいので興味がある方はより詳しい理化学的な専門家の方へご訪問くださいとして、宝石学の見聞からするとこの仕組みで発色の綺麗な物を最高級品のカシミール産と位置付けられ有名でした(近年はインドのカシミール地方産地は枯渇してほとんど採掘されないそうです)。そしてその不純物の鉄【Fe】の濃度が高くなる事が基本的に多くの光を吸収するために黒に近くなり暗い青色が流通としては多いです。
正にこの事で産地によって微妙に色合いが異なる原因となりとても興味深い話です。

次に上質で希少なサファイヤとしてご紹介しなくてはいけないのが「パパラチア・サファイヤ」だと思います。ネーミングの由来はシンハラ語で「蓮の花」「蓮の花の蕾」とされていて、産出量が少なくく幻の宝石です。この「希少で幻」というキーワードによって世界中のコレクターや愛好家、そこにジュエリーとしての必需性も加わって急激に価格は高騰し枯渇しました。そうなると世界中の宝石業界はパパラチアのガイドラインである「桃色と橙色の中間色」という若干の赤色を含めた範囲が曖昧なことからそれを広げて鑑別書にパパラチアと表記した経緯があります。当初のパパラチアを見てしまっていると本当に見劣りするものが多く、やはり消費者もそこまでの価値を一見して感じる事が出来ず衰退しました。この業界の宝石をコマーシャル化する世界中の文化によくある事なのですが、いつもやりすぎな感じがしてしまいうのはそれだけ宝石という「手に入れたい」という欲求に需要を感じて何とか供給しようという節理によると感じています。

そして光の効果が驚きを感じる「スターサファイア」があります。ドーム型にカット(カボション・カット)された石の表面へ光のラインが交差するように浮かび上がります。それが本当にそのまま星が浮かんでいるように見えるので、その名の「スター」がついています。このスターが現れる原理は、石の結晶の中に細い針状のルチル(酸化チタン)が交差して規則的に並んでいて、この「ルチルの針」が石を透過する光を同じ角度に散乱させることで焦点がスターの位置に光を集め放つ状態です。という事でレンズを思い浮かべて頂けると解りやすいと思いますがドーム型のカットでなければ現れません。そして光の透過をやや防ぐなどの理由で底面は擦りガラス状の未研磨と言いましょうか、そのような状態がほとんどです。「スター効果」は三本が60°の角度ごとに交わるという事で三方晶系の鉱物などの結晶が六角形の柱状であることが条件となります。

最後に宝石業界の方々でもあまり聞いた事のない記事としては、今も良く知られている宝石に[薬]として利用されていた記録のある鉱物はいくつかあるのですが、実はサファイアも「強壮剤」や「解毒剤」として用いられた時代もあったのだそうです。

【産出国】
主要産地国 オーストラリア・ミャンマー・スリランカ・タイ王国・インド・カンボジア・タンザニア・ケニア・アメリカなど


【鉱物組成】
コランダム(鋼玉、【Al2O3】)の変種

硬度 : 9
比重 :4.0
結晶系: 三方晶系

【サファイアのお手入れ】
http://www.vanmore.co.jp/teire/birthdaystone09_sapphire.html#sapphire

【宝石言葉】
http://www.vanmore.co.jp/teire/birthdaystone09_sapphire.html#jewelrywords
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2016/09/20
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