『日本の雇用と中高年』(濱口桂一郎著)

通勤鞄に放り込んで持ち歩いていたのだが、結構サボりがちで、読むのにだいぶ時間がかかった。

濱口先生の著書はおそらく2冊目か3冊目。いずれも、いわゆる『ジョブ型』の労働社会と『メンバーシップ型』の労働社会との対比で論をすすめていく箇所が多く、いつも勉強になっている。

本書では、日本固有の管理監督者の位置づけ(pp.167-168)と、男女均等法制の下での性差の固定装置としての『コース別雇用管理』に触れた箇所(pp.221-224)が印象に残った。

前者に関する記述の抜粋
かつて欧米型の職務給を唱道していた経営側は、1960年代末に『能力主義管理』によって職務給に舵を切り替えたのですが、その基礎となるのが具体的な職務から切り離された職務遂行能力によって格付けされた職能資格です。この職能資格において管理職クラス(参事など)と位置づけられ、給料は管理職並みの水準ですが、管理の機能を果たすポストに就かないいわゆるスタッフ管理職は、厳密には管理職ではないはずです。

後者に関する記述の抜粋
これは通常、「総合職」と呼ばれる基幹的な業務に従事する「職種」と、「一般職」と呼ばれる補助的な業務に従事する「職種」を区分し、それぞれに対応する人事制度を用意するというものです。「職種」と言っても、いかなる意味でもジョブとは関係がなく、要はそれまでの男性正規労働者の働き方と女性非正規労働者の働き方をコースとして明確化したものに過ぎません。

いつまで、こういった考え方や慣習が残るのだろうか?

#労働  
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